バスフィッシングを楽しまれているアングラーのみなさん、こんにちは!今回の「釣りたいバス釣り日記」はブラックバスの『色覚』について紹介したいと思います。
プロ・アングラーであれ週末のホビー・アングラーであれ、タックルボックスを開くたびに「色の選択」という迷宮に足を踏み入れます。「濁りにはチャート」「マズメは赤」といった経験則は、現場の知恵として語り継がれてきましたが、果たしてそれは魚の目にどう映っているのか。
最新の視覚生態学、特にノーザン・ラージマウスバス(Micropterus salmoides)を対象とした精密な研究データは、私たちのルアーローテーションに対する考え方を根本から変える可能性を秘めています。科学のレンズを通して、バスが生きる「水中の色彩世界」を解き明かしていきましょう。
では!! バスの視界と色覚の真実!赤の衝撃とチャートの正体を科学が解明の始まりです(^^)/
ブラックバスは「赤」のスペシャリストである
2018年のMitchemらによる研究は、バスの視覚が非常に特殊な「2色型色覚(Dichromatic vision)」であることを改めて浮き彫りにしました。彼らの網膜には、最大感度が535nm(ナノメートル)付近の単錐体細胞と、614nm付近の双子錐体細胞が存在します。注目すべきは、これらがすべてビタミンA1由来のレチナル(A1-retinal)に基づいた光受容色素であることです。
特に、長波長(赤色域)を司る双子錐体細胞の存在が、バスを「赤のスペシャリスト」へと変えています。彼らは無彩色(グレー)の濃淡の中から、赤という特定の色を驚くべき精度で切り出すことができます。
「バスは赤色に訓練されると、明るさが似た他のすべての色から訓練色を容易に識別することができた」
さらに、この視覚特性はフロリダバス(M. s. floridanus)とノーザンバス(M. s. salmoides)の間で全く差がないことも判明しています。南国のビッグバスも、北国の個体も、その視覚ハードウェアは共通なのです。また、528nmに感度を持つ桿体細胞により、低光量下でも高い感度を維持しています。
衝撃の事実:チャートリュースは「白」に見えている?
多くのアングラーが「マッチ・ザ・ハッチ」の切り札として信頼を寄せるチャートリュース(蛍光黄色)。しかし、科学的モデルと行動試験の結果を突き合わせると、意外な真実が見えてきます。バスにとってチャートリュースは、色として認識されるよりも「極めて高輝度な白」として映っている可能性が高いのです。
チャートリュースは蛍光特性を持っており、紫外線を可視光に変換することで、反射率が100%を超える「スーパーホワイト」のような刺激を放ちます。しかし、バスの視覚システムでは赤と緑の両方の錐体受容体を均等に刺激してしまうため、色彩としての「コントラスト(オポネンシー)」が発生しません。その結果、彼らの目には色彩信号のない「明るい無彩色」として処理されます。
この発見はルアーローテーションに重要な示唆を与えます。もしホワイト系のルアーを投げて反応がないときにチャートリュースへ変えたとしても、バスの主観では「同じ明るさの白」が泳いでいるだけに過ぎないかもしれません。
真のコントラスト変化を求めるなら、ホワイトやチャートから「レッド」や「グリーン」へと、全く別の色覚チャンネルを刺激するカラーへシフトすべきなのです。
ブラックバスの視界から消える「青」:青と黒の境界線
一方で、青色に対する反応は劇的です。ブラックバスには短波長(青)を感知する錐体細胞(SWS)が存在しません。Mitchemらの実験では、青色に訓練されたバスが黒色の物体を頻繁に攻撃するというデータが得られました。
バスの視界を例えるなら、「黄色いレンズのサングラス」をかけている状態に近いと言えます。このフィルターを通すと、青は急速に彩度を失い、黒や暗いグレーへと溶け込みます。
ただし、注意が必要なのは「緑」との違いです。バスは青と黒の区別は苦手ですが、緑については独立した色として識別できることが行動試験で確認されています。ブルーというカラーの役割は、色覚刺激というよりも、背景に対して強いコントラストを生む「シルエットの強調」にあると再定義すべきでしょう。
視力0.1の真実:色よりも「動き」と「形」
河村氏ら(2002年)の研究は、バスの視力が約0.1であることを明らかにしました。しかし、解像度の低さを補って余りあるのが、その「動体検知能力」と「形の識別能力」です。
また、アングラーが知っておくべき決定的な数値に「近点(Near point)」があります。全長43cmのバスの場合、焦点が合う最短距離は約13.5cmです。ルアーがこの距離より近づきすぎると、バスは正確に焦点を合わせることができません。至近距離でのリアクションバイトでミスショットが多いのは、この「13.5cmの壁」による視覚的な死角が一因かもしれません。
以下のテーブルは、人間とバスの視覚特性を比較したものです。
| 特性 | 人間 (標準的な成人) | ブラックバス (M. salmoides) |
| 視力 | 1.0以上 | 約 0.1 |
| 色覚型 | 3色型 (赤・緑・青) | 2色型 (赤・緑) |
| 最大感度波長 | 555nm付近 (緑) | 614nm (赤) / 535nm (緑) |
| 視覚軸 | 中心窩 (前方集中) | 水平・周辺 (広角) |
| 適応特性 | 高解像度の色彩識別 | 動体検知と近距離の形認識 |
結論:バスの瞳で世界を見るために
科学的な知見を統合すると、バスの捕食優先順位は「動き」>「形(コントラスト)」>「色」の順で構成されていることがわかります。彼らにとっての色は、私たちのそれよりも限定的であり、かつ実用的です。
- 「赤」は背景から際立つ特別な色である。
- 「チャート」は色ではなく、強烈な明るさのバリエーションである。
- 「青」は沈み込むシルエットとして機能する。
次にフィールドでルアーを選ぶ際、自分にこう問いかけてみてください。
「そのカラーチェンジは、本当にバスの視覚チャンネルを切り替えていますか?」
バスの瞳で世界を見ることは、単なるルアー選びを超え、水中という未知の世界に対する深い敬意と洞察へと繋がるはずです。
おわりに
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バスの視界と色覚の真実!赤の衝撃とチャートの正体を科学が解明の記事が、あなたのバスフィッシングライフの一助になれば幸いです。
では!!よい釣りを(^_-)-☆

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