バスフィッシングを愛されている皆さん、こんにちは!今回の釣りたいバス釣り日記は、2025年フィッシングショー大阪で、ヒロ内藤さんから歴代のHIROismロッド開発にまつわるエピソードが聞けましたので、ボクが知り得る背景も加えて紹介したいと思います。
2025年2月、ヒロ内藤さんからルアーの歴史やタックルについての学ぼうと、フィッシングショー大阪へ行って来ました。ヒロ内藤さんは既にファンの方の対応に追われていましたので、ボクはスミス・ブースに展示されている新商品などを見ながらスタッフの方とお話しながら順番を待っていました。
ヒロ内藤さんの手が空いたので、ご挨拶をしてチャックヘドン・プロジェクトのベービートーピードの話から色々と伺っていました。
実は関東に大雪が降る予報があるので、スミスのスタッフにも促されて、フィッシングショーには最後まで残らずに大事を取って大阪を発つことになっていたそうです。
そんな訳で、ありがたいことにフィッシングショー大阪に行くと言っていたボクに、会えないんじゃないかと心配して下さっていました。
そんな訳で、光栄にもヒロ内藤さんと、帰りの道中をご一緒しながらバスフィッシングに関する話を聞く事になりました。
では!! 「ヒロ内藤さんから伺った!」ヒロイズムカリプソの開発話!の始まりです(^O^)/
名竿! アモルファスウイスカー・ファントムシリーズのAWB-561ULR
2025年の2月2日、フィッシングショー大阪でヒロ内藤さんからスミスから発売されたカリプソの開発についての貴重なお話やロッド開発に関わっていく過程のお話が聞けました。

ヒロ内藤さんは80年代に、オフト社からロッドの販売を打診されていました。ヒロ内藤さんはロッド開発には消極的で現在販売されている現行のロッドで十分と言ってお話を断っていましたが、三顧の礼でオフトがお願いするので、ロッド開発を引き受けた事が始まりです。
当時、ダイワのアモルファスウイスカー・ファントムシリーズAWB-561ULRを使って2トンもの量のバスを釣っていたので、かなり使い込んでいたことが分かると思います。ヒロ内藤さんから「NAGAMASAさんはロッドがヘタルと思う」と聞かれました。
ボクは「昔のロッドは良くそんな話がありましたね」っと答えました。ヒロ内藤さんの凄い所はここでも発揮されます。2トン以上バスを釣ったAWB-561ULRを折れる前にダイワに持って行って解析に掛けてもらったそうです。すると若干数値に落ちますがヘタルというレベルまでには至らなかったそうです。
ヒロ内藤さん曰く、「ロッドの新品の状態でのバラツキはあるにせよ、当時のロッドは既に凄いブランクスであったんだよね」っと話されていました。
ロッドを開発するにあたり、AWB-561ULRを更に1インチ短くする事で、キャスト精度とルアーを操る点でも向上すると考えられ5.5フィートの世界を作り出す事になり、1988年発売のHIRO NAITO SPECIALのジャーキングロッド(クランキング55)が誕生します。
HIROismシリーズからHIROism A.I.Rの時代背景を紹介!
ヒロ内藤さんのロッド開発はその後も続き、1999年に発売されたHIROismシリーズへと昇華していきます。このHIROismからHIROism A.I.Rに関する時代に何があったのか、要約して説明したいと思います。

HIROismシリーズでは、グリップ形状を更によくする為に発売が延期される事もありました。当時のHIROismシリーズは使える素材に制限が設けられていました。
グリップ形状の話をヒロ内藤さんに伺うと、「迷惑かけたかも知れないけど良いロッドになった」と笑っておられました。
現在のスミスのHIROismシリーズと開発状況は似ているとも言えますが、ヒロ内藤さんは、与えられた条件の中で毎回、旧タイプのロッドを超える性能を持ったロッド作り出しています。
そして、2002年に発売された、HIROism A.I.R のプロジェクトが始まります。HIROism A.I.R シリーズから価格の上限を決めずに、ヒロ内藤さんが考える最高の素材を使ってロッドを作り出します。

HIROism A.I.R のベクターをフィッシングショー大阪で触れた時の軽さと使い心地の良さは素晴らしかったのですが、ボクは手に入れる事は出来ませんでした。この後、ヒロ内藤さんは自身の仕事の関係でロッドの開発から退きます。
ここからが大変です。DVDや雑誌でHIROism A.I.R を使うモノですから、ロッドを使ってみたいと思う人が続出します。オフトへも問い合わせが多く寄せられ、ボクもそうでしたが、ヒロ内藤さんに直接ロッドの再販をお願いする人が現われた事が切っ掛けで、ロッド開発を再開する事になります。
「究極の5.5フィートヒロイズムエアージアンサー」しかし!ビジネスの障壁が!
2015年に発売されたHIROism A.I.R The Answerの開発が始まるというニュースはフィッシングショーで伝えられます。ボクは2014年のフィッシングショー大阪の会場で聞きましたが、とても興奮したのを覚えています。

フィッシングショーでは来春に販売できるように話されていましたが、なかなか大変な事になって行ったようです。オフトから販売されたHIROism A.I.R The AnswerはAGSガイドシステムや5.5フィートのショートロッドにスパイラルガイドが付けられダイワのテクノロジーを使って作る事にしたのですが、ダイワから許可が下りなかったのです。
ヒロ内藤さんはこのピンチに付いて2015年のフィッシングショーでも語られていますが、「諦めなければ夢は叶う」とロッド開発の体験を踏まえて語られています。
今回の2025年のフィッシングショー大阪の会場でロッド開発で印象に残ったお話は、「人の縁は大切だよね」と言う事をヒロ内藤さんは仰っていました。理由はダイワから許可は出せないが、色々な人が知恵をだし合ってSLPワークスが、この問題を解決する為に動いてくれたそうです。これにより、HIROism A.I.R The Answerは発売される事になったそうです。
そして、HIROism A.I.R The Answerが販売されたのですが、オフトが会社を畳む事になり、又してもロッドが手に入らない事になります。
スミスからHIROismロッドが復活! 開発にベクターが犠牲になっていた!
スミスから2022年に発売されたHIROismはボクのブログでも追っかけて来ましたが、このロッドはロッド開発の制限に上限が設けられている中で作られています。

しかし、HIROism A.I.R The Answeよりも良いロッドを作り出さなければならないと言う大きな挑戦だったようです。AGSガイドが使えないので、ロッド全体の軽量化と振幅を抑える事は、以前の5.5フィートのロッドでは難しいので、新たな考えでロッドを開発する必要が出てきました。
ヒロ内藤さんは5.5フィートからどれ位、ロッドの長さを詰める事ができるのか試していきます。開発時にどの様な事をしたのか伺うと、「HIROism A.I.R、ベクター」を1インチ詰めて作り直して試しては、更に1インチとご自身でロッドを詰めてガイドを付け直してチェックをしていったそうです。
最終的に5.2フィートに落ち着いた時点で、サンプルをスミスにお願いして作ってもらい、作り込んでいったそうです。ヒロ内藤さんは完成品のロッドを友人にもテストしてもらっていたそうで、自分としては満足な出来でも人が使ってどう思うのかを確認したかったそうです。
友人の方は、最新ロッドをテストしてHIROism A.I.R The Answerがダルイと感じたそうで、テストロッドを返さなくていいよねっと言って使い続けていたそうです。
ボクも最新のHIROismロッドを使い出してからは、HIROism A.I.R The Answerを使う事はなくなって来ました。もし、素材の上限を設けずに、ヒロ内藤さんがスミス版のHIROism A.I.R The Answer的なロッドが作られるとしたらどんなロッドになるのか興味が湧きますね。
おわりに
今回は2025年フィッシングショー大阪でヒロ内藤さんからロッド開発に関するお話が聞けました。ヒロ内藤さんのファンの方でフィッシングショーに来られている方でも聞いたことが無いお話だっと思ったので紹介しました。
店頭にロッドが並ぶまでに、様々なエピソードがあると感じる事が出来ました。ヒロ内藤さんには、長い時間を割いてお話して頂き、ありがとうございました。この場をかりてお礼申し上げます。
ボクはX(旧Twitter)でもバスフィッシングの情報を発信しています。記事を読んで興味を持ってもらえたら「X(旧Twitter)のフォローやいいね!」を頂けると今後の活動の励みになります。また、記事の感想などがあれば、お問い合わせフォームからコメントして下さい。
また、Amazonからキンドル本「アメリカンルアーの歴史と起源」を販売しています。ルアーの誕生秘話や歴史に興味がある方は一読して下さい。キンドル・アンリミテッドに契約されている方は0円で読むことができます。
「ヒロ内藤さんから伺った!」ヒロイズムカリプソの開発話!の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。
では!! よい釣りを(^O^)/
コメント