プッチンプリンで学ぶ!金型の仕組みとルアー作りについて!

雑感

バスフィッシング楽しまれているアングラーのみなさん、こんにちは!今回の釣りたいバス釣り日記では、「ルアーと金型」について深掘りしていきます!🎣

まず、プラグルアーの誕生秘話で知られるヘドン社の創業者であるジェームス・ヘドンが、池に投げた木片にバスが飛びついた瞬間を目撃したことで、トップウォータールアーのアイディアが生まれた切っ掛けといわれています。その後、初期のルアーはウッド素材から製作され、木材の加工には多くの工程と時間が必要でした。

1939年にヘドンが発表したプラスチック素材の「ザラ スプーク」は、ルアー製造技術の革命でした。プラスチックは当時最先端技術で、これにより製造工程が効率化されると共に、品質も安定しました。

さて、ルアーは金型を使ってどのように製造されるか。現代のプラスチック製品のほとんどは射出成形金型で作られています。このプロセスは、金型のコア部とキャビティー部を組み合わせ、その内部に溶かしたプラスチックを高圧で流し込むことで形を作り、冷却して製品化します。ただし、90度の角がある構造は金型から抜けにくくなるため、デザインに工夫が求められるのです。

金型が変わるとルアーの性能に影響するという議論もありますが、現在の3D測定器やスキャン技術を用いて、ほぼ同じ形状の金型を作ることが可能です。これにより、レーベル社が復刻したポップRのようなルアーも、当時の素材や設計を再現できています。

さらに、金型の改良には、ルアーの不備を修正したり、製造コストを抑えるための変更が含まれることがあります。ルアー設計が進化し続けるのは、技術の進歩と釣りの世界がより良くなるための証と言えるでしょう。

プッチンプリンで学ぶ!金型の仕組みとルアー作りについて!の始まりです(^O^)/


射出成形の基本:金型が支えるルアー製作

プラスチック製品の多くは、射出成形金型やプラスチック金型、精密金型を用いて製造されています。この技術は、小さな日用品から、大きな製品まで広範囲に渡り応用されています。例えば、バスルームユニット、車の内装、バンパーなども金型を起こして作られる代表例です。

射出成形金型の構造は、大きく分けると「コア部(凸)」と「キャビティー部(凹)」が組み合わさっています。この内部に高圧で溶かしたプラスチックを流し込み、冷却することで製品が完成します。この技術の精密さと効率性が、現代のプラスチック製品の製造を支えています。

しかし、興味深いのは、90度の鋭い角を持つ製品は金型から抜けにくいため、設計が非常に工夫される点です。このような場合、型のデザインを工夫する必要があります。

身近な例えとして、「プッチンプリン」の容器構造が金型のデザインに近いとされています。容器の内部には微妙な斜めの傾斜がついており、それがプリンを簡単に抜き出せる仕組みとなっています。このような小さな工夫が製品の完成度を大きく左右するのです。

ルアーも同じく、プラスチックを金型(モールド)で成形して製作されます。特に、ルアーの設計は魚に対するリアルな模倣やアクションを重視するため、非常に精密で、素材と形状のバランスが求められる分野です。


ヒロ内藤さんに伺った! 金型が変わる? 金型修正やM&Aが与えるルアーへの影響!

アメリカンルアーに関する興味深い話題のひとつとして、金型の寿命や企業のM&Aなど、さまざまな理由で金型が変更された結果、「このロットのルアーは釣れない」と言われるケースがあります。これは本当にその通りなのでしょうか?

一般的に金型は使って行くうちに傷むので修理を施します。具体的には金型自体を削ったり酷い場合は製品部を溶接して切削したりするので、厳密にはルアーの厚みに変化が生じます。

以前、2025年のフィッシングショー大阪で、ヒロ内藤さんとお話している時に、この金型修正についてお話を伺う事がありました。

ボーマー社のクランクベイトを製造している時の話ですが、お客からクランクベイトが泳がないというクレームが入ったそうです。スグにオペレーターにちゃんと完成品を検査しているかと尋ねると「検査は行っています」との答えが返って来たそうです。

でも、実際にボディの厚みが薄くなっていたので、調べて見るとオペレーターが金型の修正の度に基準になるルアーとの公差を求めずに、前回作ったルアーとの差をチェックをしていたため、どんどん小さくなってしまったという笑い話があったそうです。

このお話は極端な例ですが、金型が修正されると、一番最初に作られたルアーとは実際には異なるサイズになっている可能性があります。しかし、現在の技術ではほぼ同じ物を作ることも十分に可能です。

また、雨貝健太郎氏の名著「秘密のクランクベイト: U.S.A.プロト-ナメント発!釣るためのクランクベイト論 」に書かれていたスミスウィック社の金型やルアーを2代目スミスウィック社長から譲り受けた釣具店の店主の話も、ヒロ内藤さんから伺う事が出来ました。

どこのショップかは伏せておきますが、実際には全ての金型を譲り受けたわけでは無く、ルアーを作る上での貴重な資料や金型はプラドコが管理されているさうです。なので、M&Aがあったとしても一概にプラドコが作り出すルアーは以前のメーカーとの差異は無いのかも知れませんね。

最新技術の活用

3D測定器や3Dスキャン技術を用いることで、古いルアーを測定した後に、三次元のCADデータを作成して略同じ形状のルアーを作ることができます。このプロセスにより、古いルアーの金型を再現することは技術的に可能となっています。

では、なぜデザインが変更されるのでしょうか?その背景には、以下のような理由が考えられます:

  • ルアーに不備があり、性能改善のため。
  • 製造方法の変更によりコスト削減を目指す場合。
  • 使用するプラスチック素材やパーツの見直しが行われたケース。

実際によくあるのが、鉛のウェイトは環境に与える影響があるのでブラスやタングステンのウェイトに変更されたりしています。ウェイトが変わる事で同じ重さでも大きさが変わるので金型を修正する必要が生まれます。

金型が変更されたとしても、企業は通常フィールドテストを行い、製品の品質と性能を検証しています。そのため、「新しい金型だから釣れない」というのはあまり気にするべきではないかもしれません。

復刻ルアーの例

例えば、レーベル社が復刻した「ポップR P70」というモデルがあります。この復刻版では3D測定器を活用して当時のポップRを測定し、金型を製作していると考えられます。さらに、プラスチック素材やウェイトには当時使用されていた鉛を採用することで、略、当時のルアーを忠実に再現しています。このような技術の進化には驚かされますね!

現在の技術は、過去のデザインや素材を再現する能力を持つだけでなく、新しい製品の改善にもつながっています。こうした進化が、釣りの楽しさをさらに広げる要因となっているのです。


3Dプリンターの活用:誰でもルアービルダーになれる時代です!

3Dプリンターはルアービルダーにとってルアー製作に大きなインパクトを与えたと思います。また、一般のアングラーが金型を起こす事もなく、オリジナルのルアーを手軽に作れる画期的なツールです。

この記事では、3Dプリンターを使ったルアー製作の基本的な流れや、その魅力について解説します。

3Dプリンターでルアーを作るメリット

  1. デザインの自由度:3D CADソフトを使うことで、思い通りの形状やサイズを作れます。例えば、特定の水深やアクションに合わせた独自のリップ形状も再現可能です。
  2. 低コスト:市販ルアーでは高価なモデルも、材料費を抑えながら製作可能です。
  3. 試行錯誤がしやすい:設計データを簡単に修正できるため、試作品を作る際のハードルが低いです。

3Dプリンターでルアーを作るために必要な道具

  • 3Dプリンター本体: 初心者にはFFF方式(熱溶解積層方式)のプリンターがおすすめ。
  • 3D CADソフト: 無料で利用可能な「Fusion360」や「Blender」が使いやすいです。
  • フィラメント: PLAやABSなどの樹脂素材を使用します。
  • 工具: 精密ニッパー、サンドペーパーなどの後処理用の工具。

3Dプリンターでの製作の流れ

  1. 設計とモデリング 3D CADでルアーのデザインを作成します。初心者は既存デザインを参考にするのも良いでしょう。
  2. プリント用データ作成 作成した3Dデザインデータをスライサーソフトで3Dプリンター用に変換します(STL形式)。
  3. プリントと組み立て プリントしたパーツにサポート材を除去し、接着剤やパテで仕上げます。
  4. 塗装と仕上げ 好みのカラーリングを施し、ウレタンやセルロースでコーティングします。

注意点とコツは?

  • 強度の課題:積層構造により、インジェクション成形品よりも強度が劣ることがあります。これを補うために、厚みやデザインを工夫する必要があります。
  • 環境に配慮した素材選択:生分解性のあるフィラメント(PLA)を選ぶことで、環境に優しい製作が可能です。

3Dプリンターで自作ルアーを作る楽しさは、市販品にはない個性や創造性を体感できる点にあります。ぜひ挑戦して、釣りライフをさらに充実させてください!


おわりに

今回は、ルアー製作に必要な射出成形金型から金型の修正がルアーに与える影響、そして3Dプリンターを使ったルアー製作について紹介しました。

バスフィッシングの歴史を辿るとガレージルアーと言って、家のガレージで製作したルアーが人気が出た事で、有名ルアーメイカーに成長してきた歴史がありますが、もしかしたら家で3Dプリンターを使って製作したルアーをSNSで発表して大人気になる、そんな時代なのかも知れないのでルアービルダーに憧れている方は挑戦してみても面白いかも知れませんね。

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また、Amazonからキンドル本「アメリカンルアーの歴史と起源」を販売しています。ルアーの誕生秘話や歴史に興味がある方は一読して下さい。キンドル・アンリミテッドに契約されている方は0円で読むことができます。

プッチンプリンで学ぶ!金型の仕組みとルアー作りについて!の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。

では!! よい釣りを(^_-)-☆


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