バスフィッシングは、日本国内外で多くのアングラーに支持されている人気のアウトドアスポーツです。しかし、近年、バス釣りの衰退が懸念されています。これは、ブラックバスが特定外来種に指定された事から端を発し、誤った生態系への影響論や意識の低い釣り人による環境問題が原因であると考えられます。
バス釣りの歴史は、1925年に赤星鉄馬氏によって芦ノ湖へブラックバスが放流されたことから始まります。1970年代には第一次バス釣りブームが到来し、多くの人々がこの趣味に魅了されました。しかし、第二次バス釣りブームを経て、1999年に滋賀県が琵琶湖で外来魚の駆除を開始した頃から、バス釣りの人気に陰りが見え始めました。
特定外来種としての指定は、ブラックバスの飼育や放流を法律で禁止され、その結果、駆除活動が盛んになりバスの数が減少しました。これにより、バス釣りを楽しめるフィールドも限られ、釣り人の数も減少するという負のサイクルが生じています。さらに、心ない釣り人によるゴミのポイ捨てや迷惑駐車などの問題も、バス釣りのイメージを損なう要因となりました。
しかし、バス釣りの未来は完全に暗いわけではありません。一部の地域では、バス釣りの受け入れが進んでおり、新たな釣り人専用駐車場の設置や、バス釣りが解禁されるダムが増えています。また、有名な釣り場では遊漁料や環境整備協力金を支払うことで、バス釣りが可能な場所もまだ存在します。
では!!バス釣りの未来は「衰退!」それとも持続可能な趣味なのか?の始まりです(^O^)/
バスフィッシングの日本におけるその衰退と未来への考察!
バスフィッシングは、日本国内で長い間親しまれてきたアウトドアスポーツの一つです。しかし、近年この趣味はいくつかの理由で衰退していると言われています。釣りたいバス釣り日記では、バス釣りが直面している課題と、バス釣りの未来について考察したいと思います。
一番の要因は特定外来種に指定された後の駆除によるブラックバスの数の減少、それに伴い釣果が得られない事による釣り人口の減少、そして農薬などの環境への影響が主な理由として挙げられます。
現在ブラックバスは、日本の在来種に悪影響を与えるとして、特定外来種に指定されています。これにより、ブラックバスの放流やリリースが法律で禁止され、その後の駆除活動や生態系の変化により、その数が減少しています。ブラックバスの数が減れば、釣りができる場所や釣果も自然と減少し、バス釣りの魅力が下がることに繋がります。
少子高齢化によるバスフィッシャーマン人口の減少
バス釣りを楽しむ人々の減少も、衰退の一因です。コロナ化で若い世代のアウトドア活動への関心は高まりましたが、キャンプやソルトウォーターゲームに人気が集まり、残念ながらバス釣りを行う人は増えませんでした。
また、2025年は、日本においては社会的な転換点を迎える年とされています。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、2035年には、日本の人口減少がさらに進行すると予測されています。人口問題をとってもバスフィッシングに関連する産業の収縮は避けられないものと考えられます。
バス釣りが環境に与える影響
バス釣りが環境に与える影響も問題視されています。ブラックバスが在来種の生態系に悪影響を及ぼすことや、釣り人によるゴミのポイ捨て、騒音、迷惑駐車などのマナー問題が、バス釣りのイメージを悪化させています。
バスフィッシングだけではありませんが、ラインやフックなどの釣り具の放棄が人や水生生物に身体的損傷を与えることも問題視されています。
ネオニコチノイド系殺虫剤の使用による水生生物に与える影響
農業に使われるネオニコチノイド系殺虫剤の使用が、ブラックバスを含む水生生物に与える影響が研究されています。
ネオニコチノイド系殺虫剤は水溶性が高く、農地から流出して河川や湖などに入ると、底生動物やプランクトンなどが死滅し生態系が崩れ、ブラックバスの餌となる生物にも影響を及ぼしブラックバスの餌となるベイトフィッシュが減少し、間接的にブラックバスの数にも影響が出ると考えられています。
外来種が生態系に良い影響を与えるエビデンスもある
外来種に関する研究で知られるフレッド・ピアス氏は、著名な科学ジャーナリストです。彼の著書『外来種は本当に悪者か?』では、外来種が必ずしも生態系に悪影響を与えるわけではないという視点を提供しています。
ピアスは、外来種が新しい環境に適応し、時にはその環境を改善することさえあると主張しています。例えば、外来種が水質浄化に役立つことや、在来種の保護に貢献することがあるとされています。
彼の研究は、外来種が生態系に与える影響を再評価し、従来の「外来種=悪者」という見方に対する疑問を投げかけています。例えば、外来種が新しい生態系において重要な役割を果たし、在来種の保護や生態系の多様性を高めることがあると指摘しています。
ピアスの研究は、外来種問題に対する新しい視点を提供し、環境保護の方法論に対する再考を促しています。彼の著書は、科学者や環境保護活動家だけでなく、一般の読者にも広く読まれています。この本の中でダーウィンの友人でもあるジョセフ・ダルトン・フッカー氏の実験を紹介しています。
ジョセフ・ダルトン・フッカー氏は、イギリスの著名な植物学者です。彼の研究は、植物の分類学や地理的分布に関するもので、特に南極、インド、シッキム地方などの探検で多くの植物標本を収集しました。
1843年、フッカーは南極探検に参加し、その過程で多くの島々を訪れました。彼はこれらの島々で植物の分布を調査し、緑化計画の基礎を築きました。彼の研究は、特に島嶼生態系の植物分布や進化に関する重要な知見を提供し、島の緑化計画の基礎を築きました。
彼の研究は、特に島嶼生態系の保全と再生において、植物の導入と管理の重要性を強調しています。フッカーの研究は、現在でも島嶼生態系の保全において重要な参考資料となっています。外来生物に関するフッカーのアセンション島の緑化計画で興味深いモノがありました。
ジョセフ・ダルトン・フッカーのアセンション島の緑化計画は、19世紀に行われた革新的なプロジェクトです。アセンション島は、南大西洋に位置する火山島で、当時、島にはトウダイグサ科の固有種とコケとシダしか生えてませんでした。フッカーは、この島を緑化することで、気候を改善し、土壌の浸食を防ぐことを目指しました。
彼の計画は、世界中から植物(外来種)を集めてアセンション島に移植するというものでした。特に、湿潤な気候に適した植物を選び、島の乾燥した環境に適応させるための試みが行われました。
このプロジェクトは、島の生態系を大きく変えることに成功し、外来種と在来種が共存し合っているそうです。フッカーのアセンション島緑化計画は、環境保護と生態系の再生における先駆的な取り組みとして評価されています。彼の研究は、現代の環境保護活動にも多くの示唆を与えています。
空前のバスフィッシングブームに沸いたから目を付けられたのか?
ジョナサン・ロソス博士をご存知でしょうか?この方は進化生物学の分野で著名な科学者です。彼は、特に進化の過程や生物の適応に関する研究で知られています。ロソスは、ハーバード大学で教鞭をとり、比較動物学博物館の両生類・爬虫類学部門の主任を務めた後、現在はセントルイス・ワシントン大学の教授として活躍しています。
ボクは生物学者の池田清彦氏の本でジョナサン・ロソス博士を知りました。本の中でロソス博士のグッピー実験が紹介されていました。進化生物学の分野で非常に重要な研究だそうです。この実験では、グッピーの色彩パターンが捕食者の存在によってどのように変化するかを調査しました。具体的には、捕食者がいる環境といない環境でグッピーを飼育し、その色彩パターンの変化を観察します。
結果として、捕食者がいる環境では、グッピーのオスはより地味な色彩パターンを持つようになり、捕食者から目立たないように進化しました。一方、捕食者がいない環境では、オスはより鮮やかな色彩パターンを持つようになり、メスに対するアピール力を高めました。この実験は、進化がどのように環境要因によって影響を受けるかを示す重要な例となっています。
この実験から感じた事は、バスを釣る為のヒントになる部分もありますが、違う観点から見てみるとバスフィッシング自体がバスフィッシングブームによって世間的にも当時はとても目立つ存在だったから利用する捕食者(権力者)に格好の対象になったとボクは当時を振り返るとそんな風に感じてしまいます。
今後、バスフィッシングを楽しむなら捕食者(権力者)に食べられない様に体色を抑えて活動する必要があるのかも知れませんね。
バス釣りの未来! 身近に出来るバス釣りの持続可能性を高める方法
バス釣りの持続可能性を高める方法として、可能なフィールドであればキャッチ&リリースがあります。キャッチ&リリースの概念は、1970年代にアメリカで広まりました。B.A.S.S.(Bass Anglers Sportsman Society)が1972年に初めてキャッチ&リリースの試合を開催したことが、その始まりとされています。
昔のルアーメーカーのカタログなどを見ると沢山のバスを並べて釣果を自慢する写真が掲載されていたりします。我が社のルアーを使うと優れた釣果を約束するという、とても解りやすい宣伝方法です。ボクがバス釣りを始めた頃には既にキャッチ&リリースの概念は有りましたが、昔の名残でストリンガーというスナップのお化けみたいな道具にバスを引っ掛けて釣果自慢した時期もありました。
今では考えられないと思いますが、そんな時代もあったのです。ボクの場合は命を奪う行為に抵抗があったので自然とキャッチ&リリースという作法を取り入れていました。昔のアングラーは釣ったバスの怪我口に消毒をしてからリリースされる方もいました。今では考えられないくらいブラックバスは大切に扱われていたのです。
先日、2024年10月26日にヒロ内藤さんが大阪に来られた際に会いに行ったのですが、様々な話の中からバス釣りの持続可能性に繋がる話がきけたので、ご紹介させて貰います。ある方がヒロ内藤さんに質問されたのですが、その方のフィールドには小さなバスしか釣れず30cm以上のバスが釣れないので何か理由があるのですか?という質問だったそうです。
そこでヒロ内藤さんは、キャッチ&リリースの仕方が悪いからバスが死んでいるので、成長したバスが居なくなっているのではないかと答えたそうです。
死んでしまう理由は、魚の皮膚はデリケートでチョットした事で火傷をしてしまうので、地面に置いてスグにリリースすると見た目は元気に泳いでいくけど1週間ぐらいすると皮膚が化膿して死んでしまうからだそうです。何時までも元気でいられるようにリリースする事が、キャッチ&リリースだと仰っていました。
ヒロ内藤さんはバスを傷付けけない為にも、ハンドランディングで取り込むそうで出来る限り地面に触れさせないように心がけるそうです。今はラバーネットがあるのでそれを使う事も良いのですが、バスをキャッチした時の感動はハンドランディングの方が感じるとも仰っていました。
バス釣りが持続可能なレジャー活動として存続するためには、適切なバスの扱い方を学び、実践することで、次世代にも楽しんで貰うためにも、私たち一人ひとりができることを考え、行動に移したいものですね。
おわりに
バス釣りの未来は、釣り人の行動に大きく左右されます。ルールを守り、環境に配慮することが、この趣味の持続可能性を高める鍵となるのは間違いないです。バス釣りを楽しむためには、自然との共生を意識し、地元のコミュニティとの良好な関係を築くことも重要です。
また、バンアングラーにとって嬉しい情報としては、ブラックバスをいくら駆除しても人間の思うように自然をコントロールする事は出来ないと言われています。今回の記事は池田清彦氏の著書、「本当の事は言ってはいけない」を読んで感じた部分を書かせて貰いまた。
バス釣りの未来は「衰退!」それとも持続可能な趣味なのか?の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。
では!! よい釣りを(^O^)/
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