ブラックバスがプラスチックワームを誤飲したらどうなる?

雑感

バスフィッシングを愛するアングラーのみなさん、こんにちは!今回の「釣りたいバス釣り日記」では、フィールドに放置されたプラスチックワームをブラックバスが誤って食べてしまったらどうなるのか?という素朴な疑問に迫ってみました。

湖底に沈む使い捨てられたソフトベイト——釣り人なら一度は目にしたことがあるはず。でも、その“残骸”がバスの健康にどんな影響を与えるのか、考えたことはありますか?

結論から言えば、誤って食べたとしても、すぐに命に関わるような事態にはならないようです。ただし、素材や形状によっては一時的な摂食障害を引き起こす可能性もあるとのこと。

この記事では、最新の研究をもとに、ブラックバスがソフトベイトを摂取した際に起こる生理的な変化や、素材の違いによる影響について詳しく解説していきます。

では!! ブラックバスがプラスチックワームを誤飲したらどうなる?の始まりです(^O^)/


IN-Fisherman Effects of Softbait Ingestion on Bass

最初に紹介したい記事は、IN-Fishermanから、「Effects of Softbait Ingestion on Bass」と言う記事です。コチラの記事を読みやすく、釣りたいバス釣り日記が編集して紹介します。


釣りの最中、ブラックバスがソフトベイト(プラスチックワーム)を誤って飲み込んだり、フックから外れたルアーを水底で拾って食べてしまうことがあります。でも、こうした誤飲がバスの健康にどう影響するかは、まだあまり知られていません。

そこで研究者たちは、ソフトベイトの形状や素材(生分解性か非生分解性か)が、ラージマウスバスの食欲にどう関係するかを調べました。

実験では、バスに以下のソフトベイトを与えました:

  • 生分解性ルアー  ・バークレー・ガルプ!リップルシャッド(4インチ)  ・バークレー・ガルプ!タートルバックワーム(7インチ)  ・バークレー・ガルプ!アライブ!クロウラー(4インチ)
  • 非生分解性ルアー  ・バークレー・パワーベイト リップルシャッド(4インチ)  ・バークレー・パワーベイト パワーワーム(7インチ)  ・ロボワーム ファットワーム(4インチ)

実験後は、バスには生きたゴールデンシャイナーを好きなだけ食べてもらったそうです。

結果はこうです:

  • シャッド型のように体積が大きいルアーを飲み込んだバスは、シャイナーの摂取量が最も少なかった。
  • 生分解性ルアーを飲み込んだバスは、非生分解性ルアーを飲み込んだバスよりもシャイナーを食べる量が少なかった。
  • ソフトベイトは通常9日以内に排出され、生分解性の方がより早く排出されました。

この研究は、ソフトベイトの誤飲がラージマウスバスに深刻な長期的ダメージを与える可能性は低いことを示しています。ただし、ルアーは自然環境に残さず、きちんと処理することが大切です。

※原文を読みたい方は、以下のリンクから読むことが出来ます。


ResearchGate(リサーチゲート)に掲載していた研究論文

『Effects of Ingestion of Soft Plastic Fishing Lures on Largemouth Bass』は、2018年に発表された研究論文で、ラージマウスバスがソフトルアーを飲み込んだときの影響を調べたものです。

この研究では、ソフトベイト(プラスチックワーム)の形状と素材(生分解性 vs 非生分解性)が、バスのその後の摂食行動にどう影響するかを調査しています。実験では、シャッド型、リボンテールワーム型、フィネスワーム型のソフトベイトをバスに与えた後、生きた餌(ゴールデンシャイナー)をどれだけ食べるかを観察しました。

主な発見はこんな感じ:

  • シャッド型のように体積が大きいルアーを飲み込んだバスは、餌の摂取量が最も少なかった
  • 生分解性ルアーを摂取したバスは、非生分解性ルアーを摂取したバスよりも餌の摂取量が少なかった
  • ソフトベイトは通常9日以内に排出され、生分解性の方が早く排出された
  • 野外調査では、バスの胃の中にソフトベイトが残っていたのは1%未満

つまり、誤飲されたソフトベイト(プラスチックワーム)はラージマウスバスの健康に深刻な長期的リスクを与える可能性は低いと考えられるけど、自然環境に捨てず、きちんと処理することが大切!

追加の重要な発見ポイント

摂取後の時間による影響

バスがソフトベイト(プラスチックワーム)を飲み込んだ翌日と1週間後に餌の摂取量を測定したところ、摂取直後の方が餌の摂取量が大きく減少しました。つまり、誤飲直後は消化や違和感で食欲が落ちるそうです。

形状と素材の組み合わせが影響を左右する

シャッド型のような体積の大きいルアーは、摂取後の餌消費量が最も少なかった。さらに、生分解性素材の方が非生分解性よりも摂食量が少なかったという結果も出てる。これは素材の膨張性や消化のしやすさが関係してるかもしれないそうです。

排出方法と期間

ソフトベイト(プラスチックワーム)はすべて9日以内に排出されていて、生分解性の方が早く排出されたよ。排出方法は嘔吐または排泄で、体内に長く残ることはほとんどないみたいです。

野外調査の結果としては、イリノイ州の2つのリザーバーで調査したところ、胃の中にソフトベイトが残っていたバスは1%未満だったそうです。つまり、自然界での誤飲率はかなり低い。

ソフトベイトを飲み込む事で、長期的な健康リスクは低いとされているけど、水中に捨てられたソフトベイトは環境汚染の一因になる可能性があるから、適切な廃棄が推奨されます。


ソフトプラスチックルアー(SPL)がブラックバス以外の魚種に与える影響

ソフトプラスチックルアー(SPL)がブラックバス以外の魚種に与える影響についても、いくつかの研究があるよ!🌍 特に注目すべきは以下の2つ!


🐟 ① レイクトラウトとスモールマウスバス(Raison et al., 2014)

タイトル:Exploring the Potential Effects of Lost or Discarded Soft Plastic Fishing Lures on Fish and the Environment

  • 対象魚種:レイクトラウト(Salvelinus namaycush)、スモールマウスバス(Micropterus dolomieu)
  • 調査場所:カナダ・オンタリオ州チャールストン湖
  • 発見
    • 水辺1kmあたり年間最大80個のSPLが沈殿している可能性
    • アングラーの17.9%が、レイクトラウトの胃からSPLを発見したと報告
    • 実際の捕獲調査では、レイクトラウトの2.2%、スモールマウスバスの3.4%がSPLを摂取
    • SPLは水中で分解せず、膨張して残留する傾向が強い(冷水で重量61%増、温水で205%増

🧪 ② トラウト類全般(Danner et al., 2009)

対象魚種:ニジマス、ブラウントラウト、アトランティックサーモン、レイクトラウト

  • 発見
    • メイン州セバゴ湖のアイスフィッシング大会で、レイクトラウトの25%がSPLを摂取
    • 胃の中でベゾアール(異物塊)が形成され、消化不良や潰瘍のリスク

💡 まとめ

魚種摂取率影響備考
レイクトラウト最大25%胃内異物、消化不良冷水域で膨張しやすい
スモールマウスバス約3.4%摂取例あり湖底にSPLが多く沈殿
ニジマス約63%(実験)体重減少・食欲不振自発的摂取が確認されている

これらの研究は、バス以外の魚種でもSPL(プラスチックワーム)の誤飲や健康リスクがあることを示していて、釣り人の行動やルアー設計に対する意識改革が求められます。


おわりに

ブラックバスをはじめ、さまざまな魚種がソフトプラスチックルアーを誤って摂取する可能性があることが、複数の研究から明らかになってきました。摂取されたルアーは多くの場合排出されるものの、形状や素材によっては一時的な摂食障害や消化不良を引き起こすこともあります。

釣り人として、自然と魚たちへの配慮を忘れず、使用済みルアーは必ず持ち帰ること。そして、環境負荷の少ない素材や設計を選ぶことが、これからの釣り文化を守る第一歩ですね。

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ブラックバスがプラスチックワームを誤飲したらどうなる?の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。

では!! よい釣りを(^_^)v


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