今回の記事はブラックバスの嗅覚と味覚に関する機能について紹介したいと思います。結論から先に言いますと!ブラックバスは匂いを感じますし臭いを嗅ぎ分ける事も可能です。ブラックバスの嗅覚は人間の1000倍あります。
人間にとって匂いというモノは周囲に漂い大気中ですぐに消えてしまいますが、水中では匂いは、ずっと長く残り、魚が感知できる匂いの量というのは、かなり少ないようです。
そして、ブラックバスの味覚は敏感で特定のアミノ酸を水で200倍に薄めても、その味が分かるそうですので、かなりグルメです。
X(旧Twitter)でストラクチャーフィッシング理論を作りあげたバックペリー氏が、多くの人がルアーの臭いや色が釣果に大きな影響があるという考えは間違いであるとした上で、理論を証明する為にガソリンの入ったバケツにルアーを浸して釣れる事を見せたとツイートしたところ。
ニシネルアーワークスの西根さんから、北米ではフィッシュフォーミュラの代わりにWD40という日本でいう、Kure556みたいな潤滑剤を吹き付けて使っている釣り人もいると教えて頂きました。このようにアミノ酸以外の物質でもブラックバスは集魚作用がある面白い事例もあります。
では!!「ブラックバスの嗅覚と味覚!」嗅覚は人間の1000倍でかなりグルメ!の始まりです(^O^)/
ブラックバスの鼻の構造 ブラックバスの鼻の穴は4つある
図が示す通り、ブラックバスの目の前方にある窪みがブラックバスの鼻です。ブラックバスの鼻は人間の鼻とは違い4つの穴から臭いを嗅ぎます。エラブタを開いて水を吸い込むと同時に鼻に水が入りエラブタを閉じると鼻の後ろから水が出る構造になっています。
ブラックバスは鼻で息をしているのではないので、臭いを嗅ぐ機能しかありません。ブラックバスの鼻はANから吸い込んだ水はPNを通り臭いを嗅ぎ分けます。嗅覚機能を限定する事でブラックバスの嗅覚は人間をあるかに凌ぐ嗅覚機能を持っています。ブラックバスは魚類の中ではバスは臭いには鈍感な部類ですが、猟犬以上の嗅覚を持つ凄い嗅覚です。
ブラックバスの視覚、聴覚、嗅覚は得た情報を幾つかの過程を経て認識できるように処理してから脳に到達するようになっています。しかし、ブラックバスの嗅覚は臭いの情報を得るとダイレクトに脳に情報が伝わります。
ブラックバスの嗅覚に携わる細胞は数週間で新しい細胞に交換する事からもブラックバスの嗅覚の鋭さが分かります。
参考にした記事「オオクチバスの嗅覚器官の解剖学、超微細構造および組織学に関する」は以下のサイトから観覧する事ができます。
「衝撃!」ブラックバスの嗅覚について知っておきたい5つのこと!
ブラックバスの嗅覚はサーモンやナマズほどではないが、鳥猟犬よりも優れた嗅覚を持っている。そして体が成長して大きくなる事で嗅覚細胞の面積も大きくなるので機能が小型のバスと比べて鋭くなります。
サーモンは数マイル離れた場所からでも故郷の川の匂いを嗅ぎ、孵化した場所と同じ川で産卵するために、100万分の1の微かな匂いを嗅ぎ分けることができます。
また、ブラッバスの嗅覚は人間と比べると1000倍もあり、25フィート(7m60cm)先のエサの臭いも嗅ぎ分ける凄い機能があります。この5つの嗅覚の凄さからアングラーがブラックバスを釣る上で考えて置かなければならない事が見えてきます。
① ブラックバスの嗅覚はサーモンやナマズほど利かない
② 臭いを嗅ぎ分ける能力は鳥猟犬以上ある
➂ バスは成長すると嗅覚機能が鋭くなる
④ ブラックバスの嗅覚は人間の1000倍ある
⑤ ブラックバスは7m60cm先からでも餌の臭いを嗅ぎ分ける
たとえば、防虫剤や日焼け止めを付けた手で不用意にポイント近くの水に触れたりする事でブラックバスに人間の存在を教える事に繋がります。
なので人間が発する匂いや科学的な匂いがバスに伝わらないように注意する事でバスを釣るチャンスが増やせると考えられます。
ブラックバスはベイトフィッシュの排せつ物で居場所を感知する!
ブラックバスの味覚と嗅覚の研究などを調べると、とても面白く新たな発見があったりして探求心が尽きません。そこで、新たなブラックバスの嗅覚に関する情報を調べると、ブラックバスがタンパク質や胆汁酸そしてフェロモンを認識している事を紹介している記事がありました。
胆汁酸の発見は19世紀の中頃で、胆汁酸とは胆汁に含まれる有機酸で肝臓でコレステロールから合成されます。 胆汁の97%は水分で、固形分の主な成分が胆汁酸です。また、胆汁酸の成分は魚種によっても違いがあります。
胆汁酸は排せつ時に魚から放出され、魚は水中の胆汁酸を感知できます。そのため、胆汁酸は他の魚が餌を食べていることや、餌が近くにあることを知らせる手がかりとなります。
具体的にはバスが近くにいるクラッピーから分泌される胆汁酸を感知してベイトフィッシュが居る事を知ったり。また、胆汁酸はバスに他の魚が餌を食べている事を知ることができます。
バスが捕食した際にベイトフィッシュが出すフェロモンによって危険を仲間に知らせる事が証明されていた
フェロモンは魚臭研究の最前線に位置するそうです。1938年、オーストリアの倫理学者カール・フォン・フリッシュは、ミノーの中にシュレックストッフ(怯え物質)として知られる化学的な警報信号が存在することを初めて報告しました。
警報信号とは、「送り手」である自分が危険にあったことによって生じる反応で、「受け手」である他の仲間に危険を警告するものです。
一般的にフェロモンは、魚が作り出す精巧な化合物です。同じ種によってのみ検出され、非常に特異的な行動反応を引き起こします。
この怯え物質は、魚の組織が傷ついたとき、例えば、捕食された時に水中に放出され、近くにいる同種の仲間は、この微量な濃度のフェロモンを感知し、逃げたり身を隠したり、その方向に泳いで確認したり、仲間を探し始めたりといった行動をとります。
他のフェロモンは、回遊魚、特にトラウトやサケが自分の生まれ故郷の川を特定し、産卵に適した相手を見つけるための嗅覚シグナルとして機能しています。
ブラックバスの味覚 ブラックバスは味を舌だけで感じていない!
ブラックバスは人間の様に甘い、辛い、酸っぱいと言った味覚を持ち合わせているのだろうか? 味覚に関してそこまでは分からないようですが、ブラックバスの味覚は人間の味覚と比べると遥かに優れている部分があるようです。
ブラックバスが味を感じる器官は口の内側全体と歯そしてエラでも味覚を感じる事ができます。髭で味を感じるコイや皮膚でも感じる事ができるナマズと比べるとブラックバスの味覚は鈍感だと言えますがブラックバスは視覚を重要視していると考えられます。
では、ブラックバスが餌を食事をするにあたってどの様な過程を経るのか3つのステップを踏んでいるので、見て行きましょう。
① 口の中に餌を吸い込む
② 吸い込んだ餌を食道近の入り口まで移動させる
➂ 飲み込む
①の段階で捕食した餌を吐き出す行動をとる事がありますが、この時の餌となる魚の鱗は剥がれていないそうです。
②の段階まで進むとブラックバスは吸い込んだ餌を食べるかどうかを判断します。吸い込んだ餌を味見して餌でないと判断したら吸い込んだモノを吐き出します。吸い込んで吐き出すまでの所要時間は3秒程と言われています。
➂の段階は吸い込んだ餌が安全なモノだと認識した上で餌を飲み込みます。敏感なブラックバスの味覚を知ることで、ブラックバスが餌やルアーを咥えてもスグに吐き出したりする行動は何らかの違和感を感じているからだと言うことが分かります。
ブラックバスの味覚はアミノ酸を水で200倍に薄めても、その味が分かる!
ブラックバスが捕食する魚や昆虫そしてエビやカエルなどの生き物にはタンパク質であります。そして多くのアミノ酸が含まれています。ブラックバスは特定のアミノ酸を水で200倍に薄めても、その味が分かるそうです。
このことからもブラックバスは特にタンパク質を多く含む味を好みます。例えば、ペレットとのような加工調理された魚粉は、孵化場の飼育用のエサによく使用されていますよね。
また、塩分は、バスにとって生きていく上で重要な成分です。バスは常に淡水環境から体内の塩分を失っているため、安定した塩分の摂取が必要になります。魚やザリガニのような生物も体内には塩分が含まれており、それを摂取することで失われた体内の塩分を補給します。
バークレー社のラボによるフレーバーテストによると、バスは塩化ナトリウムだけで味付けされたものにはすぐに興味を失ってしまうというデータがあります。
また、ブラックバスは肉食であり、ベジタリアンではないので、植物由来のフレーバーは必ずと言っていいほど不味いと感じるようです。
ストロベリー、ラズベリー、ブルーベリー、アーモンドファッジ、チョコレートで固めたシュガーボムのような甘いフレーバーは人間にとって魅力的に感じますが、ブラックバスにとっては何の意味もないく、昔のワームオイルに多く含まれていたアニス(甘草)オイルも同じだそうです。
80年代のワームにはニンニク成分が入っているという事で話題になったモノもあり、ボクも当時は使っていましたが、バークレーの実験では効果はなかったのかも知れませんね。
アミノ酸の種類によってバスの嗅覚や味覚に与える影響が違っている!
人間の体は60~70%は水分と20%のタンパク質そして、その他の成分で構成されています。タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されています。
先ほども触れましたが、ブラックバスが捕食する魚や昆虫そしてエビやカエルなどの生き物はタンパク質で出来ています。なので、ブラッバスにとってアミノ酸はとても大切な成分でもあります。
上のグラフは上の4つ以外は全てアミノ酸の種類です。こんなにもアミノ酸に種類がある事にも驚きますが、アミノ酸の種類によってはブラックバスの嗅覚や味覚に影響を与えるようです。
嗅覚に対して反応が良いアミノ酸は、アルギニン、システイン、リシン、というアミノ酸です。このグラフを見る事で臭いにアミノ酸は不可欠な成分なのが分かります。
味覚の部分でも反応の良いアミノ酸に違いが見られます。システインは嗅覚には反応は出てるアミノ酸でしたが、味覚には反応が低いことが分かります。アルギニンやリシンに関しては味覚、嗅覚、共に反応が良いです。
バークレーの研究ではクランクベイトの様に早く動くハードベイトにもアトラクタント(集魚剤)の効果があることが分かっています。ストライクの回数が約2倍に増え、食わえている時間も2倍以上に長くなる結果が出ています。
おわりに
ブラックバスの嗅覚と味覚に関する記事を最後までブログ記事を読んでくださりありがとうございます。ブラックバスの嗅覚と味覚がこんなに優れている事が分かって頂けたと思います。
ボクはTwitterでもバスフィッシングの情報を発信しています。記事を読んで興味を持ってもらえたら「Twitterのフォローやいいね!」を頂けると今後の活動の励みになります。
「ブラックバスの嗅覚と味覚!」嗅覚は人間の1000倍でかなりグルメ!の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。
では!!よい釣りを(^O^)/
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