クランクベイトの革命児!リー・シッソンとはどの様な人物か?

バスフィッシングの偉人達

バスフィッシングを愛するアングラーのみなさん、こんにちは!今回の釣りたいバス釣り日記では、著名なルアーデザイナー、「リー・シッソン」氏をご紹介します。

リー・シッソン氏は、バグリーベイトカンパニーにてディープクランクベイトのデザインを手掛け、広く知られる存在となったルアーデザイナーです。彼の作品は、その独創性と機能性から多くのバス釣り愛好家に支持されています。

特に彼が手掛けた「テネシータフィー」は、バルサ材を使用したフラットサイド・クランクベイトで、その優れた障害物回避性能と安定した動きで高く評価されています。このユニークなデザインは、バスフィッシャーマンたちに絶大な人気を誇っています。

また、リー・シッソン氏のルアーは、「コフィンリップ」と呼ばれる特徴的な形状を持つリップが障害物回避性能を高めている点でも注目されます。特に日本では、1990年代初期にフラットサイド・バルサクランクが流行した背景もあり、レア度や実際の釣果面でも高い評価を得ています。

リー・シッソン氏の作品は、今日でもその魅力を失わず、多くの人々に愛され続けています。彼のデザインへの情熱と技術の進化が、バス釣りの世界に新たな基準を打ち立てたと言えるでしょう。

では!! クランクベイトの革命児!リー・シッソンとはどの様な人物か?の始まりです(^O^)/


バス釣りを始めた切っ掛けはNFLの名プレーヤー!テリー・ブラッドショー

ルイジアナ州の弁護士を父に持ち、バトンルージュで生まれ育ったリー・シッソン氏は、高校時代からアメリカンフットボールのスター選手として知られていました。当時は釣りには全く縁がなく、フットボールに熱中する日々を送り、名門校ルイジアナ州立工科大学に進学します。

リー・シッソン氏

大学時代には、後にNFLのピッツバーグ・スティーラーズで活躍するテリー・ブラッドショー氏とチームメイトになります。テリー・ブラッドショー氏は、スーパーボウルで4度の優勝を果たした伝説的なクォーターバックであり、1989年にプロフットボール殿堂入りを果たした人物です。

ブラッドショー氏は大のバス釣り愛好家で、ビル・ダンス氏とも親しい間柄です。彼が練習のオフ日にリー・シッソン氏を釣りに誘ったことがきっかけで、シッソン氏は釣りに魅了されるようになりました。

さらに釣果を向上させるため、シッソン氏は市販のルアーを改造し始めます。釣りの知識を深めるためにB.A.S.S.(Bass Anglers Sportsman Society)の会員となり、バスマスターマガジンを読み込み、フィールドで試行錯誤を繰り返しました。また、疑問が生じるとフィッシングショーに足を運び、バスプロたちから意見を求めるなど、真摯に研究を重ねました。

彼は主にダルボンヌ湖やアチャファラヤ盆地など、ルイジアナ州の豊かな水域で釣りを楽しんでいました。その過程で、当時使用していたハードルアーが約6フィートより深く潜ることができないことに気づきます。この制限を克服するために、シッソン氏は新たに6フィート以上深く潜ることができるハードルアーの開発に着手します。

※B.A.S.S.のバスマスターマガジンの歴史については、以下の記事⇩で詳しく触れていますので、あわせて読んでみて下さい。


面接時間15分で採用決定! バグリーベイトカンパニーに入社する!

リー・シッソン氏の夢は、いつしかバグリーベイトカンパニーで働くことへと変わっていきました。そして、大学卒業間際にバトンルージュ市で開催されたフィッシングショーで、ジム・バグリー社長が参加すると知ったリー氏は彼に会いに行きます。

フィッシングショーでジム・バグリー氏を見つけたリー氏は、15分ほど話をした後、バグリーベイトカンパニーで働かないかと提案されました。リー氏は即座に入社の返事をし、ジム・バグリー氏が「家族に相談しなくていいのか」と尋ねると、リー氏は「家族にはすでに夢を話しているので、きっと喜んでくれる」と答えたそうです。

ヒロ内藤氏から聞いたエピソードでは、ジム・バグリー氏は、従業員を即決で採用することが何度かあったと言われています。その採用基準がユニークだったそうです。

ある日、バグリー社長は「今日からウチで働くことになった」と言って、大柄な男性を従業員として迎え入れました。しかし、彼の前職の経歴は不明で、とりあえず会社のヘリコプターがあるガレージで台車のペンキ塗りを任されることに。

しかし、その男性はペンキを塗る際に刷毛を使わず、台車にペンキを直接ぶっかけるという大胆な方法をとり、最終的には社長のヘリコプターにまでペンキを飛ばしてしまいます。

この出来事をきっかけにその男性は解雇されましたが、採用理由をジム・バグリー氏に尋ねたところ、「大きなタイヤを担いでいたので力持ちだから使えると思った」との回答したそうです。

ヒロ内藤氏はボクに「そんなタイヤなら転がして移動するのが普通だよね」と笑いながら語っていました。このユニークなエピソードは、ジム・バグリー氏の人間性や職場での出来事を生き生きと伝えています!

でも、そう言うヒロ内藤さんも、西山徹さんの取材同行時にバグリー社長に出会ってスカウトされているんですよね。

※バグリーベイトカンパニーの創業者、ジム・バグリー氏については以下の記事で詳しく紹介していますので、あわせて読んでみて下さい。


ディープウォーター・フィッシングの革命ダイビングBをデザインする!

リー・シッソン氏は、23歳でバグリーベイトカンパニーに入社し、「ダイビングBシリーズ」をデザイン。ディープウォーター・フィッシングへのアプローチに革命をもたらしました。

1970年代初頭、スクエア・ビルクランクベイトやバルサBのラインナップで大成功を収めていたバグリー社は、1975年に「ダイビングBシリーズ」の3サイズを発表。

  • Divin’B1:最小サイズでBalsa B1と同じブランクを使用
  • Divin’B2:Balsa B2ボディを使用
  • Divin’B3:Balsa B3ボディを使用

特に「Divin’B3」はバグリー社史上最も成功したルアーの一つであり、ディープ・ダイビング・バージョンで登場した最初の「アルファベット・クランクベイト」の一つとなりました。このルアーはバグリー独自の「チューニング・ボタン」を搭載し、釣りの際に手動で調整する必要を排除。製造段階で事前に調整されており、当時のディープクランクの課題を解決しました。

チューニング・ボタン

また、シッソン氏の貢献として特筆すべきは、1970年代後半にノーザン・マスキーやパイク・アングラー向けのルアーを開発したことです。バング・オー・BやB-フラットといった革新的なデザインは、スポーツフィッシングの大会でも成功を収め、その実用性が高く評価されました。

さらに1979年には、スモールフライ・シリーズやソルトルアーなど、見た目の美しさと機能性を兼ね備えた新しいデザインを手掛けます。

しかし、ジム・バグリー氏との意見の相違が徐々に生じ、ジム・バグリー氏が日本への出張中に発生した問題がきっかけとなり、12年間勤めたバグリー社を退職することとなりました。


バグリーベイトカンパニーから独立しリー・シッソン・ルアーズを立ち上げる!

その後、リー・シッソン氏は独立して「リー・シッソン・ルアーズ」を立ち上げ、「テネシータフィー」などの革新的なルアーを世に送り出しました。さらに63歳にしてエリート・シリーズのルーキーとしてトーナメントに挑戦するというチャレンジ精神を見せています。

リー・シッソン氏

彼のデザインしたクランクベイトは、特にディープ・ダイビングタイプで知られ、釣り業界に新たな基準を打ち立てました。これらのルアーは最高級のバルサ材を使用しており、その優れた浮力と耐久性で、多くのアングラーに比類なきパフォーマンスを提供してきました。

テネシータフィー

さらに、リップ、ワイヤー、ウエイトの配分に精密な注意が払われており、水中で完璧なアクションを生み出します。その職人技は釣り道具としてだけでなく、歴史に裏打ちされたコレクターズアイテムとしても高く評価されています。

2007年、「リー・シッソン・ルアーズ」は売却されましたが、彼のデザインしたルアーはその価値を失わず、現在でも釣り人やコレクターから人気を博しています。

トーナメント競技を引退した後も、リー・シッソン氏はバグリーベイトカンパニーのコンサルタントとして業界に影響を与え続けており、その革新的な精神と釣りへの深い理解は、釣り業界における彼の偉業を際立たせています。


おわりに

最後までお読みいただきありがとうございます。クランクベイトが好きな方でしたらリー・シッソン氏はとても重要なクランクベイトに関するキーマンではないでしょうか?

60代になってからエリートプロとして参戦したりするバイタリティーは人生の先輩として見習って行きたいと感じましたね。

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クランクベイトの革命児!リー・シッソンとはどの様な人物か?の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。

では!! よい釣りを(^O^)/


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