「ストラクチャーフィッシングの父」バックペリーの生涯を学ぶ!

バスフィッシングの偉人達

バスフィッシングを愛されているアングラーのみなさん、こんにちは!今回の釣りたいバス釣り日記は、ストラクチャーフィッシング理論を確立した。「ストラクチャーフィッシングの父」バックペリーの生涯を学ぶ!です。

エルウッド バック ペリー氏は、淡水スポーツフィッシングの近代化の時代を築いたと称賛され、ストラクチャーフィッシングの父と呼ばれ、バス釣り界のアインシュタインと呼ばれた人物です。

バスフィッシングを始めてストラクチャーフィッシングやストラクチャーとカバーの関係等と言う言葉は聞くことはあっても、バック ペリーという人物が語られる事が少ないと思います。

1915年7月10日にノースキャロライナ州に誕生したエルウッド バック ペリー氏は、優れた頭脳と解析力で、現代のバスフィッシングに多大な影響を与えます。

では!「ストラクチャーフィッシングの父」偉人バックペリーの生涯を学ぶ!の始まりです(^O^)/


1915年ストラクチャーフィッシングの父 エルウッド バック ペリーが誕生!

1915年7月10日、エルウッド・バック・ペリー氏はアメリカ南東部のノースカロライナ州ヒッコリー市で誕生しました。父親のロバート・ペリー氏は熱心な釣り人であり、息子をジェームズ湖に連れて行き、一緒に狩猟や釣りを楽しんでいました。

Buck Perry 引用 Bucksspoonplugs.com

幼少期から分析力に優れていたエルウッド・バック・ペリー氏は、釣果が得られない際に父親にこう言いました。「魚がどこから来て、どれだけ長くそこに留まるかは、天候や水の状態で決まるんだ。父さん、僕たちは間違った釣りをしているだけでなく、間違った場所で釣りをしているんだ」

また、水中を眺めると魚が見える時と見えない時があることに疑問を抱き、「魚たちは湖の深場にいるのではないか」と考えるようになります。その後、いわゆる“釣りの専門家”たちの意見を聞いた際、どれ一つとして同じものがなく、魚の習性に関する見解が科学的な裏付けを欠いていることを認識。彼は独自に釣りを研究し、観察した事実以外は口にしないと誓いました。

ペリー氏はヒッコリー高校に通い、1929年と1930年に州のチャンピオンフットボールチームの一員として活躍。バクスタージリアンフットボール奨学金を得てレノアライン大学に進学し、物理学を専攻、理学士号を取得しました。

1941年以降、彼はヒッコリー高校で数学や物理学を教え、スカボローコーチのアシスタントも務めました。その後、ノースカロライナ州立大学で機械工学を学び、海軍士官にディーゼル操作と保守の力学を教える仕事や、戦時中には機械工場のオペレーターを訓練する役割を担いました。

第二次世界大戦後、教職を退き、ヒッコリーに戻ったペリー氏は、販売、土地開発、石油探査、製造、旅行といった多岐にわたる分野で父親や兄弟と共に働きます。この間、彼は以前から着目していた「魚を見つけるためのストラクチャーフィッシングの法則」の探求に本格的に取り組み始めます。


1957年シカゴのマリー湖でバック ペリーの理論の凄さが証明される

1954年、航空会社のパイロット、ドン・ニコルズがフロリダで休暇中に、「スプーンプラグ」を発見します。彼はスプーンプラグのプロモーションをしてもらう為にバック ペリーを説得します。

スプーンプラグ

1957年6月、『シカゴ・トリビューン』紙のアウトドアライター、トム・マクナリー氏と、『シカゴ・アメリカン』紙のレイ・グレイ氏が、シカゴ近郊の「魚が釣り尽くされた湖」と言われていたマリー湖を訪れ、バック・ペリー氏の釣りを日曜版で特集しました。この特集で紹介された釣果は驚異的であり、釣り業界に衝撃を与えました。

トム・マクナリー氏が編集を担当した初版の『フィッシャーマンズ・ダイジェスト』誌には、スプーンプラグに関する記事が掲載されました。この掲載を皮切りに、イリノイ州、ウィスコンシン州、ミシガン州で数年間にわたるプロモーション活動が展開され、バック ペリー氏は、自身の釣り技術を広めていきます。その後、フロリダ州やカリフォルニア州でも活動を展開し、1955年にはUS64-70号線沿いに新しい工場を建設しました。

当初はタックル用品だけでなく、ゴルフクラブ、寝袋、火災報知器、特殊家具部品など、幅広い製品を製造していました。また、キャスティングやトローリング専用の伸びないラインの開発や、10ヤードごとに色分けして長さが分かるラインの製作を手がけました。ハリー・ローレンス氏との共同作業で、最初のデプスメーターにも取り組み、後に独自の製品を製作しました。

1971年、工場は落雷による火災で全焼し、多くのフィルムや書類が失われました。しかし、ペリー氏は再建を決意し、スプーンプラグと関連するタックル用品の製造に専念することを決断しました。現在、スプーンプラグは7つのサイズと35色のバリエーションで販売されています。


「ディープは未知の世界」ストラクチャーフィッシングとは!

1940年代のアメリカは電力確保の為各地にダムを建設します。ダム建設でフィールドが増えバスフィッシングも盛んになってゆきます。当時のバスフィッシングは、湖岸線のシャローカバーを釣るのが主体になっていた時代で、ディープの釣りはまだ開拓されていませんでした。

Spoon plugging – your Guide to Lunker Catches 引用 Amazon

一部のアングラーはアンカーロープで水深を測ったりはしていたものの魚探のない時代でもあり、ディープの釣りは、まだ未知の世界だったようです。

ストラクチャーフィッシングとは、ボトムの起伏の変化に対してバスが移動のルート決め、ルート上にある障害物に止まる習性を利用して釣る考え方で、障害物を釣ることでは無くボトムの起伏変化を読んでいくのが基本になります。

バックペリーのバスの行動の考え方は、ブラックバスは通常、深場にいて捕食の為にシャローへマイグレーション(移動)をすると考えていました。

この考えを元に一日の大半をディープで過ごすブラックバスを釣るために、1946年に開発し特許を取得したのが、「スプーンプラグ」です。スプーンプラグは、トローリング専用のルアーで大きさによって潜行深度が変わるので狙ったゾーンを引き続ける事ができるスプ―ンルアーです。

Spoonplug

バックペリーは、このルアーでトローリングをしていると湖の特定の位置に来ると必ずストライクがあるので、その周辺の水深の変化や障害物をデータとして蓄積し、分析をしてストラクチャーフィッシングの構想を築き上げていきますが、驚くべきは当時は、魚探がない時代のことです。

スプーンプラグの使い方は、トローリングしながら異なるサイズのスプーンプラグを使って釣れるゾーンを探す方法です。スプーンプラグは、特定の水深を維持して泳ぐように設計されています。

バスが釣れた場合、トローリングを一旦止め、その水深やエリアにジグやワームを使用したワークルアーの釣りで「ハニースポット(好漁域)」を見つけ出します。このテクニックは、時間帯を問わず有効で、スモールマウスバスやパイクなどの他の魚種にも活用できます。

また、スプーンプラグは豊富なカラーバリエーションが揃っていますが、バック・ペリー氏はこう語っています。「スプーンプラグのカラー展開は魚のためではなく、釣り人のためなんだ」。魚はルアーを生き物として認識しているため、カラーそのものはそれほど重要ではないと考えられています。

バックペリーはバスを釣るのにカラーも臭いも重要ではない事を証明していた

960年代後半、インディアナ州の人気の湖で、地元の釣り人たちの間では「釣り尽くされてしまい、もう釣れない」と信じられていました。

しかし、バック・ペリー氏はカメラクルーを引き連れ湖へ赴きます。その姿を見た釣り人たちは、興味津々でボートで彼を追いかけました。そして驚いたことに、バック・ペリー氏はこの数十年の間で誰も見たことのないほど多くのブラックバスやウォールアイを次々と釣り上げたのです。

さらに、釣り人たちの間で広く信じられていた「ルアーの臭いや色が釣果に影響を与える」という考えを覆すため、ペリー氏は驚くべき実験を行いました。彼はルアーをガソリンの入ったバケツに浸し、そのルアーを使って魚を釣り上げてみせたのです。この行動により、魚にとってルアーの臭いや色はそれほど重要ではないことを証明しました。


バック ペリーはストラクチャーフィッシングの学校を建設していた!

バック・ペリー氏は、友人でビジネス・パートナーでもあったトム・コールマン・ジュニア氏と共同で、テネシー州ナッシュビル近郊に1500エーカーの土地を購入し、ストラクチャー・フィッシングの学校と「スプーンプラグ・ビル」と呼ばれるクリスチャン・コミュニティを建設しました。

ペリー氏はまた、長年にわたり『Fishing Facts』誌の教育担当編集者を務め、その発見と教えによって、彼の名前を知らない何百万人もの釣り人に喜びと成功をもたらしました。

1973年には『スプーンプラグ、ランカーキャッチへのあなたのガイド』を出版。「釣りに関する唯一の真の教科書」として高く評価されました。

さらに、1981年には9巻からなるホームスタディシリーズを発表。彼はバス釣り界の「アインシュタイン」と呼ばれ、そのストラクチャーフィッシングの概念は多くのアングラーに大きな影響を与えました。

2005年8月12日、ペリー氏はノースカロライナ州テイラーズビルの自宅で90歳でその生涯を閉じました。スポーツ紙には「バス釣りの世界で偉大な開拓者を失った」と記されたそうです。


おわりに

「ストラクチャーフィッシングの父」偉人バックペリーの生涯を学ぶ!は如何だったでしょうか?バックペリー氏の素晴らしさを知ってもらえたと思います。

バックペリー氏の考えを学びたいとお考えの方は「Spoonplugging – your Guide to Lunker Catches」が公式ホームぺージで購入する事ができます。

ストラクチャーフィッシングを学ぶ事でバスを釣る確率が上がる釣りをする上で重要な部分がこのようにして発見されていく歴史を知ることで、バスフィッシングがより、奥深いゲームとして楽しむ事が出来ると思います。

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また、Amazonからキンドル本「アメリカンルアーの歴史と起源」を販売しています。ルアーの誕生秘話や歴史に興味がある方は一読して下さい。キンドル・アンリミテッドに契約されている方は0円で読むことができます。

「ストラクチャーフィッシングの父」バックペリーの生涯を学ぶ!の記事があなたのストラクチャーフィッシングの助けになれば幸いです。

では!!よい釣りを(^O^)/


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