釣り好きな人は大抵の人が読んだ事があるのが、矢口高雄先生の漫画、釣りキチ三平です。ボクが漫画、釣りキチ三平を知ったのが小学生の頃だと記憶します。
釣りキチ三平は釣りキチのキチがキチガイという意味合いに取られて放送禁止用語になり再放送がされなくなっている背景があります。ボク的にはこんな素晴らしいアニメが地上波で放送されないのは、とても残念に思います。
当時は少年マガジンに連載されていましたが、ボクは釣に興味を持ち独学で釣りを始めると、当時は新品の単行本は変えなかったので釣りキチ三平を古本屋さんで購入して読み出します。
その後、釣りキチ三平がおしえる 新釣り入門 講談社ポケット百科シリーズ3を買ってそこに書いてある仕掛けを参考に淀川へ釣りに行っていました。なかなか魚は釣れませんでしたがいい思い出です。
ボクの場合は周りに釣りを教えてくれる大人がいませんでしたので、釣りは釣りキチ三平から学んだようなものです。
『釣りキチ三平が放送禁止?』釣り人は必ず見るべき作品ですの始まりです(^O^)/
『釣りたいバス釣り日記がおすすめ!』釣りキチ三平を釣り入門者に勧める訳
釣り初心者、入門者に釣りキチ三平を読むのを、お勧めるのはもちろん漫画の絵の美しさもあるのですが、自然の美しさや人生の厳しさが描かれている点にあります。
実際の釣り場の美しさや自然の厳しさを漫画を通して擬似体験させて貰えます。そして、少年漫画なのですが人生の複雑さも描かれています。
家族との関係を鮎川魚紳を通して描いたり、鮎釣りの回では人生が上手く行かず、罪を犯し捕まり、刑務所から脱走して鮎釣りをする囚人のさいせいを描いています。
また、目が見えない少年がハンデを持ちながら釣りをしていたり、釣りを通して生きる事の複雑さを学ぶ事ができます。
三平くん自身も生まれる前に兄を失くし、そのショックで母親も亡くなり父親は出稼ぎ先で事故に合い記憶喪失になって行方が分からなくなっているのです。しかし、そんな環境でも明るく強く生きて行く少年の健気さが描かれています。
また、自然環境問題も人間の我から発生しているように描かれているあたりを読んでしまうと、なかなか、釣り場にゴミを捨てる事を躊躇わせる内容も描かれています。なので、釣りキチ三平は釣りを始める初心者の方には是非とも呼んでもらいたい漫画なのです。
作者の矢口高雄先生は元銀行員矢口先生とはどのような人物なのか?
釣りキチ三平の作者である矢口高雄先生は、日本の漫画家・エッセイストであり、自然をテーマにした作品を描いたことで知られています。代表作は『釣りキチ三平』や『幻の怪蛇バチヘビ』があり、釣りブームとツチノコブームを起こしました。
1939年10月28日に矢口高雄先生は秋田県雄勝郡西成瀬村(現在の横手市)で生まれ、自然に囲まれて育ちます。子供時代の生活は後に矢口漫画の題材となっていきます。矢口先生は釣りを趣味としており、釣り経験を基に週刊少年マガジンから『釣りキチ三平』が連載、一躍人気漫画家となりました。また、ご自身の半生を自叙伝形式で描いたエッセイも執筆されています。
「意外な経歴!」矢口高雄先生は漫画家になる前の職業は銀行員だった!
面白いことに、矢口先生は漫画家デビュー前は羽後銀行(現在は北都銀行)に入行し12年間、銀行員として働いていました。ある日、同僚が読んでいた『ガロ』に強く影響を受け、再び漫画を描き始めることを決意され、『週刊少年サンデー』で読み切り作品『鮎』が採用されると、漫画家デビューを果たします。
矢口先生は、漫画の地位向上と原画の保存にも尽力され、その波乱万丈の漫画家人生は多くの人々に感銘を与えました。2020年11月20日に81歳で膵臓がんにより亡くなりましたが、矢口先生の作品は今も多くの人々に愛されています。
※プレジデントオンラインの矢口高雄先生の漫画家人生と漫画の地位向上のために取り組んだ原画の保存について詳しく書かれた記事です。
「釣りキチ三平は全65巻」1973年~10年間、『週刊少年マガジン』で連載
釣りキチ三平は全65巻からなる自然の中で暮らす人々の生活と様々な対象魚の釣りを通して三平くんの成長を描いた物語で、漫画、釣りキチ三平は1973年~83年の10年間、『週刊少年マガジン』(講談社)に連載し当時の看板作品でした。
釣り漫画の代表的存在で『週刊少年マガジン』では長編を、『月刊少年マガジン』(講談社)では短編を同時連載されていました。単行本は1974年2月18日に第一巻が発売し1983年5月16日に65巻が発売されます。
55巻、イワナ大移植作戦 | 環境保全の難しさを考えさせられる内容になっています |
54巻、落ち鮎コロガシ釣り | 囚人である西田和行が鮎釣りを通して人間性を取り戻すお話 |
57巻、忙中閑あり | 冬の秋田の自然の厳しさとその中での楽しみを見つける明るくて少し寂しいお話。 |
49巻、釣犬ハチ公の巻 | 目の不自由な少年と三平くんとの釣りを通して身体の障害について考えさせられるお話。 |
他にも釣りキチ三平のおすすめ話は上げれば切りがないのですが、釣りキチ三平を読んでから釣りに行かれると、いつもの釣り場の風景が素敵な風景に感じると思いますよ。
釣りキチ三平の中で登場する特殊なハンドメイドルアーたち3選!
①改良野ネズミ型特大ルアー
②三平式常識やぶりルアー
➂服部さんのハンドメイドノイジールアー
釣りキチ三平の作中で三平くんが作り出したルアーは探求心と釣りへの情熱が詰まったものがあります。18巻に出て来る改良野ネズミ型特大ルアーは巨大イトウを釣るために鳴鶴先生(めいかく)が作ったスプーンを三平くんが即席で改造したものです。
三平くんが眠りこけた巨大イトウのポイントで、野ねずみを襲うイトウの姿と、野ねずみを模した特大ルアーの夢を見たエピソードがあります
釣りキチ三平44巻の『竜神滝の竜の巻き』では竜神滝に潜む竜の角を持つ巨大イワナに三平くんがルアーフィッシングで挑むお話しです。
丈助さんがカワガラスを取っ捕まえてエサにでもするかと言う言葉がヒントになり鳥の羽を集めてミノーに張り付けて作った水鳥型ルアーが登場します。これが三平式常識やぶりルアーです。
釣りキチ三平43巻の『蝉しぐれのブラウンの巻き』ではヒメマスのトローリングの名手の服部さんが三平くんをC湖に連れて行きにひメトロにチャレンジします。そして蝉が泣き出す午後からは蝉を捕食するブラウントラウトの蝉しぐれ釣りにチャレンジします。
三平くんが作り出すルアーではありませんが服部さんがハンドメイドで作ったセミ型ルアーを使ってブラウンを釣ります。このルアーはジッターバグのリップを付けたノイジールアーです。
釣りキチ三平の作中には市販のルアーも登場します。スプーンルアーではウッドストリーム社のオールドパルは度々登場します。70年代の中頃くらいまでダイワが扱っていたルアーです。また、ガルシアフロッグに似たフロッグルアーを使うシーンが見られます。
『弁護士資格!』釣りキチ三平に登場する魚紳さんの経歴がヤバすぎる件!
鮎川魚紳は三平くんの兄のような存在であり、釣り師匠であり、時にライバルとして作中に登場します。三日月湖で「三日月湖の主」釣りで競いました。このときは三平くんが勝利を収めました。
その後に再会してからは一平じいさんから話を聞き三平くんの父親の手掛かりを探るべく日本のフィールドを飛び回り、ブルーマーリンの大会やサーモンダービーで海外まで行動を共にするようになり、三平くんからは兄のように慕われています。魚紳自身も「相棒」と呼ぶなど、二人は年の離れた兄弟のような強い絆が描かれています。
「カッコ良すぎ!」魚紳さんは「鮎川財閥」の御曹司で弁護士資格も持っている!
魚紳さんはスポーツ万能で身体能力抜群です。フェンシングではオリンピック代表選手レベルの腕前を持ち、学業も優秀で、大学では法律を学び、弁護士資格も取得しています。魚紳さんは「鮎川財閥」という財閥の御曹司でもあります。
しかし、事故が原因で早くに家を出ており、両親との関係も少しギクシャクしていました。少年のころに父の釣りに同行した際の事故が原因で右目を失明し、それが理由で、常にサングラスを掛けています。その後は両親と和解しお互いがお互いを気遣っていた事を確認し合います。
最終章では、魚紳さんが消息不明となった三平の父・三平平を探し出します。事故で記憶喪失となった平本人と話し合い三平くんと会う機会を探っていましたが、一平じいさんが無くなった事で三平くんと生活を共にします。一平じいさんが亡くなるシーンや魚紳さんがヘリコプターで登場するシーンはいつ見ても泣いてしまいますね。
釣りたいバス釣り日記が選ぶ! 釣りキチ三平の名言はこれだ!
釣りキチ三平の中には様々な名言が残されています。三平くんや魚神さんそして一平じいさんが語った一部ですがボクが好きな名言をご紹介します。
釣りキチ三平10巻の磯の王者から磯でイシダイを狙う事になった三平くんが魚紳さんにライフジャケットの着用を促されるが、『こんなブカブカのを付けたんじゃ、釣りもなんにも出来たもんじゃねえ魚紳 さん、おらあこんなもんつけねぇでも大丈夫さぁ・・』とっ言った時の魚紳さんの名言
『三平くん海を侮っちゃあいけねぇぜ 海はこのとおり川や沼などと違って広くて深い、岩を砕く荒波、日に幾度となく変わる潮の流れと、常に危険が伴うのが磯釣りだ、だから救命具は磯に立つ釣り人のマナーだ!』『分かったらスグに着けたたまえ』
背負向ける魚紳さんに三平くんが怒ったのかと声を掛けると『べつに・・ただずっと以前、俺の親友が海に落ちて死んだ時のことを思い出したんだ』『あの時、救命具を着けてたら死ななかったんじゃねえだろうかなって思ったのさ』三平くんが救命具を着け魚紳さんに見せると『おう、結構さまになってるじゃねぇか』と微笑みます。
釣りキチ三平43巻の簗川流簗秘伝から三平くんの名言『おらぁ釣りが好きだ。しかしその好きな釣りも魚が要ればこそできるのであって、魚がいなくなっちまったら釣りもへったくれもあったもんじゃねえ・・中略』『要するに、おらたちの一方的な都合によって魚の住めねえ川をつくっちゃあならんちゅうことが言いてぇのよ』
一平じいさんの名言で印象的なのは『竿ってやつはしょせんは手の延長にすぎん、竿の良し悪しはその竿を持つ人の腕の良し悪しによってきまる』です。とは言えついついハイエンドモデルを買ってしまうんですよね。腕を磨かなければ。
『あなたはどっち!!』釣りキチ三平をアニメと漫画どちらで楽しむ?
アニメ釣りキチ三平はフジテレビ系で月曜日19:00-19:30で1980年4月7日~1982年6月28日の間放送されました。三平くんの声の担当はドラゴンボールの悟空やど根性ガエルのひろし、銀河鉄道999の鉄郎の声を担当した野沢雅子さんです。
魚神さんの声はスペースコブラのコブラの声を担当した野沢那智さん、一平じいさんは宮内幸平さんでドラゴンボールの初代亀仙人の声を担当された方です。正治やユリちゃんも含めてキャラクターにあった声優陣で構成されていましたね。
釣りキチ三平をアニメと漫画どちらで楽しむかと聞かれると、どちらも素晴らしいので甲乙つけがたいですが、登場キャラクターと声優さんの声がとてもマッチしていたので声と物語を楽しむなら『アニメ釣りキチ三平』です。
また、矢口先生の描いた美しい自然を描写された絵画のような絵をじっくり堪能しながら物語の中へ入り込むなら『漫画釣りキチ三平』がおすすめです。
釣りキチ三平は釣から人としての慈愛や自然の厳しさとそこで生きる人の生活、そして生死を含んだ人との別れまでも描いた素晴らしい作品です。
おわりに
『釣りキチ三平が放送禁止?』釣り人は必ず見るべき作品ですを最後までお読みいただきありがとうございました。ボクにとっては釣りを始める大きな要因になった作品であり、この漫画を読んだことで釣りと言う趣味を一段深く楽しむことが出来たと感じています。
まだ、釣りキチ三平をアニメや漫画で見た事が無い方は是非見て下さい。そういえば学生時代の釣りをしない友人宅に釣りキチ三平があったので尋ねてみると母親が読んでいると言うので叔母ちゃんと釣りキチ三平の話で盛り上がりました。釣りだけでなく物語として深みのある作品なんですよね。
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では!! よい釣りを(^O^)/
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