バスフィッシングを楽しまれているアングラーのみなさん、こんにちは!今回の「釣りたいバス釣り日記」では、秋のバス釣りでよく話題になる自然現象――「フォールターンオーバー」について、詳しく解説していきます。
秋になると、釣り番組などで「今日はターンオーバーが進んでるから厳しいね」といったセリフを耳にすることがありますよね。ロッドで水面をかき回して泡が残る様子を見て、「ああ、ターンオーバーが起きてるな」と判断する場面もよく見かけます。
このフォールターンオーバーとは、秋の冷え込みによって湖の表層水温が急激に下がることで発生する水の対流現象です。普段は水温の違いによって層になっている湖の水が、冷たい空気の影響で表層の水が重くなり、底の水と入れ替わるようにかき混ざる――これがターンオーバーの正体なんです。
この現象が起こると、湖全体の水質が一時的に悪化し、バスの活性も下がりがち。釣果に影響が出るため、アングラーにとってはちょっと厄介な時期とも言えます。
この「フォールターンオーバー」がどのように起こるのか、言葉だけでは少しイメージしにくいかもしれません。 そこで、以下の図を使って仕組みをわかりやすく解説してみました!

ここまでで、フォールターンオーバーがバス釣りに与える影響について、イメージがつかめてきたのではないでしょうか?
でも、ちょっと待ってください。 そもそも日本のフィールドで、本当にフォールターンオーバーは起きているのでしょうか? 次のセクションでは、その実態に迫りつつ、もしターンオーバーが起きてしまった場合の対策法についても詳しくご紹介していきます!
では!!秋のフォールターンオーバーがブラックバスに与える影響を学ぼう!の始まりです(^O^)/
「釣れなくなる」秋のフォールターンオーバーが起こる仕組みを理解しょう!
秋に起こる「フォールターンオーバー」や、季節の変わり目に見られる「レイクターンオーバー」について、まずはその仕組みから見ていきましょう。
下のイラストをご覧ください。フォールターンオーバーの原理が視覚的にわかりやすく表現されています。

イラストの左側は、ターンオーバーが起きていない通常時の湖の様子です。水温の違いによって水が層を成しており、表層は暖かく、深層は冷たくなっています。この状態では水の対流は起こらず、落ち葉やヘドロなどの沈殿物は湖底にとどまったままです。
一方、右側のイラストは、フォールターンオーバーが発生している状態を示しています。夏の間に温められていた表層の水が、秋の寒冷前線の通過によって急激に冷やされると、表層の水の比重が中層の水よりも重くなり、湖底へと沈み始めます。この動きによって湖全体に強い対流が発生し、底に溜まっていた汚れや酸素の少ない水が一気にかき混ぜられるのです。これが「フォールターンオーバー」と呼ばれる現象です。
ちなみに、春にも似たような現象が起こります。春になると日差しで表層の水温が上昇し、水の比重差によって緩やかな対流が発生します。これを「春期循環」または「春のターンオーバー」と呼びます。ただし、春の対流は秋に比べて穏やかで、主に風の力によって湖の水が循環するのが特徴です。
このように、春と秋にはそれぞれ「春季等温期」「秋季等温期」と呼ばれる時期があり、湖全体の水温が約4℃に均一化されることで、魚たちは季節の変化を感じ取っているのです。
秋のフォールターンオーバー現象がブラックバスに与える3つの影響!
秋のフォールターンオーバーが発生すると、湖底に沈んでいた枯れ葉やヘドロ、ゴミなどの沈殿物が水中に舞い上がり、ブラックバスをはじめとする魚たちに大きな悪影響を与えます。
この現象によって起こる主な影響は、以下の3つです:
- 急激な水温低下 湖底の冷たい水が表層に押し上げられることで、水温が一気に下がります。これにより、バスの新陳代謝が低下し、活性が著しく落ちてしまいます。
- pHと溶存酸素量の低下 日本の多くの釣り場では、通常pHは中性〜弱アルカリ性で、バスにとって快適な環境です。しかし、ターンオーバーによって底の悪水が浮上すると、pHが酸性寄りに傾き、溶存酸素量も減少。バスはショック状態に陥り、環境が回復するまでルアーにも反応しにくくなります。
- 視覚・嗅覚的な変化 ターンオーバーが起きた湖では、水が緑がかった灰色に濁り、腐った卵のような匂いが漂うことも。さらに、水面には泡が多く浮かぶなど、見た目にも異変がはっきり現れます。
では、フォールターンオーバーはどのような条件で起こるのでしょうか?
一般的に、気温と表水温の差が13℃を超えると発生しやすくなり、特に夜間に起こりやすいとされています。さらに、その差が17℃を超えると、湖底の沈殿物が表層まで巻き上がるほど強い対流が発生します。
なお、この現象は年に1回、秋にしか起こらないとされています。なぜなら、フォールターンオーバーが発生すると、湖の水温構造を支えていたサーモクライン(水温躍層)が崩壊してしまうため、同じ年に再び起こることはないのです。
秋のフォールターンオーバー現象が起きた時のバスを釣る為の3つ対策?
フォールターンオーバーが発生すると、バスの活性は著しく低下します。 水質の悪化や水温の急変により、バスはショック状態に陥り、ルアーへの反応も鈍くなってしまいます。 正直なところ、そんな日は無理に釣りをせず、状況が落ち着くのを待つのがベストかもしれません。
ですが―― 大会や遠征などで「どうしても釣りをしなければならない!」という場面もありますよね。 そんなときは、以下の3つのポイントを意識することで、厳しい状況でもチャンスをつかむことができます。
➀水質が改善されやすいエリアを探す
⓶中層にサスペンドするバスを狙う
➂シャローカバーに身を伏せるバスを狙う
まず重要なのは、水質が改善されやすいエリアを見つけることです。 フォールターンオーバーは、一般的に水温が早く下がる上流の浅いワンドやアームから始まり、深くて水温が安定している下流のエリアで終息します。 そのため、水通しが良く、風が当たりやすい場所やインレット周辺など、水が動いているエリアを優先的にチェックしましょう。
ターンオーバーが起こると、バスは大きく3つの行動パターンに分かれます:
- 散らばって広範囲に分散するグループ
- 中層にサスペンドして動かないグループ
- シャローカバーに身を潜めるグループ
このような状況では、バスは捕食よりも環境の変化に適応することを優先しているため、食い気が極端に落ちています。 そのため、リアクションバイトを狙ったアプローチが有効になります。
また、ルアーサイズを小さくすれば釣れるというわけではありません。 むしろ、あえて大きめのルアーを使って存在感を出し、バスの反射的な本能を刺激することが効果的です。 このとき、ロッドワークを駆使してアクションのリズムやスピードに変化をつけることで、低活性のバスにも口を使わせるチャンスが生まれます。
秋のフォールターンオーバー現象が起こりやすい湖について!
秋にフォールターンオーバーが発生しやすい湖には、共通する4つの特徴があります。 もし、あなたがよく通うフィールドがこれらの条件に当てはまっているなら、秋のターンオーバー現象が起こる可能性が高いと言えるでしょう。
🍂 フォールターンオーバーが起こりやすい湖の4つの特徴
- 水深が30フィート(約9.1m)以上ある ターンオーバーは、水温の層(サーモクライン)が形成されるほどの深さが必要です。 そのため、浅い野池や小規模なリザーバーでは基本的に発生しません。
- 夏場にサーモクライン(変温層)が形成される 湖の中層に急激な水温の変化がある層ができる湖では、秋にその層が崩れることでターンオーバーが発生します。 サーモクラインの有無は、ターンオーバーの前提条件とも言えます。
- 緯度の高い地域に位置している 赤道から離れた高緯度エリア(北海道や東北地方など)では、季節の寒暖差が大きく、冷え込みも早いため、ターンオーバーが起こりやすい傾向があります。
- 冬に湖面が凍結する 冬季に凍るような湖は、年間を通じて水温の変化が大きく、ターンオーバーが発生しやすい環境が整っています。 こうした湖では、春と秋に明確な水の循環が起こることが多いです。
ヒロ内藤さんに聞いてみた! 日本ではフォールターンオーバー現象は起こりにくい?
実は、秋のフォールターンオーバー現象は、アメリカのような内陸部にある大規模な湖で特に起こりやすく、 日本のフィールドでは、条件的に「起こりにくい」とされています。
では、なぜ日本ではフォールターンオーバーが起こりにくいのでしょうか? この疑問を、バスフィッシング界のレジェンドヒロ内藤さんに直接お聞きしたところ、貴重なお話を伺うことができました!

ヒロさんによると、春から夏にかけての水の対流は、主に風の影響によって起こるとのこと。 水の性質を理解することで、この仕組みがより明確になります。
💧 水の比重と対流の関係
水は4℃のときに比重が1.0となり、最も重たくなるという特性を持っています。 このため、4℃の水は自然と湖の底に沈み、それより冷たい水(0〜3℃)や温かい水(5℃以上)は表層に浮かびやすくなるのです。
春から夏にかけては、日差しによって表層の水温が徐々に上昇しますが、この温まり方はゆっくりで、熱が徐々に深部へ伝わるため、急激な対流は起こりません。 ヒロさんはこの現象を、「鍋を下から火にかければ対流が起こるが、赤外線ランプで上から温めても対流は起きにくい」という例えで説明してくれました。 まさに、湖の水も“上からじんわり温まる”ため、春から夏のターンオーバーは起こりにくいというわけです。
このように、日本の湖では気温の変化が緩やかで、急激な水温差が生じにくいため、アメリカのような明確なフォールターンオーバーは起こりにくいのです。 ただし、条件がそろえば発生する可能性もあるため、フィールドの特性を見極めることが大切です。
おわりに
今回は秋になると話題になるフォールターンオーバーのしくみと対処について紹介しました。ボク自身は日本に居てフォールターンオーバー現象を目の当たりにしたことはありません。
ただ、秋のシーズンはベイトフィッシュについてバスが行動するので、数日前は良かった釣り場も釣れなくなつたりする季節なのでフォールターンオーバーを良い言い訳にしてしまいがちです。たまに、同じ湖で、何回もフォールターンオーバーが起こっている人も見かけますよね (^_^;)
そんな時は、「日本でフォールターンオーバーは起こらないよ」なんて言わずに、そうだねフォールターンオーバーが起こったら君の腕でも釣れっこないよっと大人の対応をしていきましょう(^O^)
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秋のフォールターンオーバーがブラックバスに与える影響を学ぼう!の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。
では!! よい釣りを(^O^)/


コメント
pHが影響するという話は
初耳で驚きでした(°_°)
ヒロさんの実釣で
ターンオーバー攻略
やって欲しいなぁ😊
次男坊さんコメントありがとうございます😃
今回の記事はヒロ内藤さんのハイパーバッシングがベースになっています。
フォールターンオーバーが起こるとpHが下がる話はルアーザスピリットのポッパー編でも
触れていますし実際にフォールターンオーバーではないですが、フォールターンオーバーに
近い状況でヒロ内藤さんは釣りをされていますので、再度、見て下さいね😄