「その名は超音速!」ヘドン スーパーソニックのインプレ!

ルアーインプレッション

バスフィッシングを楽しむアングラーの皆さん、こんにちは!今回の「釣りたいバス釣り日記」では、ヘドンが1957年に生み出した伝説のリップレスクランクベイト、「スーパーソニック」についてインプレッションしていきたいと思います。

ヘドンのソニックシリーズは、広告戦略に力を入れた注目のルアーとして誕生しました。このプロジェクトを指揮したのは、当時ヘドンの副社長であり、後に有名なフィッシングライターとなったホーマー・サークル氏です。

ヘドン社はバイブレーションルアーが発する振動を、ベイトフィッシュが発する波動に近いものとして捉え、これがブラックバスなどの魚食魚に効果的であることを生態学的な視点で示しました。

特に1957年のソニックのカタログでは、魚が振動を感知する内部構造まで詳細に記載されており、学術的な裏付けによって振動が魚にアピールする効果が説明されています。このルアーの開発はヘドンにとっても大規模なプロジェクトだったと言えるでしょう。

また、「スーパーソニック」というネーミングも、ホーマー・サークル氏が時代のトレンドを感じ取って付けられたそうです。

それでは! ヘドン スーパーソニックのインプレッションを始めたいと思います(^O^)/


60年以上の歴史を持つルアー! ヘドン スーパーソニックのインプレ!

2023年4月に「ヘドン ソニック」のインプレッションを行いました。その際のタックルセットアップは以下の通りです。

筆者撮影 ヘドン スーパーソニック
  • ロッド: 6.4ft MHパワー ファーストテーパー「ヒロイズムエアージアンサー Wizard CS」
  • リール: スティーズ SVTW 7.1
  • ライン: ユニチカ シンサヤ 14lb

のリップレスクランクベイト「ソニック」の使用感は、現在の高性能タックルを使うことでキャスタビリティーが向上しているものの、以前の粗悪なタックルでは使いづらさを感じる部分がありました。

ソニックの沈下速度は非常に遅く、1秒間約30センチ程度沈むかどうかといった程度の速度です。そのため、シャローエリアではルアーを投げ込んだ後に慌てることなくリトリーブを始められる点が魅力ですが、深い場所での使用には不向きかもしれません。

また、浮力があるため、ミディアムリトリーブでは浅いレンジへ浮上しやすい特性があり、シャローゾーンでの使い勝手は良好です。ミッドレンジで使用する場合、リトリーブ速度を落として細かくコントロールする必要があるという印象がありました。

特にシャローレンジでバーニングリトリーブをすると安定して泳ぐことができ、この使い方が最も快適でした。また、ソニックの背ビレは単にデザイン性を狙ったものではなく、ロールアクションを抑えて細かいピッチアクションを素早く出せるようにするための工夫がされています。この点がルアーの機能性をさらに際立たせていると感じました。


ヘドン スーパーソニックを楽しむ3つのテクニック!

ヘドンのスーパーソニックを使っていて、この3つのテクニックを使う事でより、スーパーソニックのポテンシャルが発揮できます。

ステディーリトリーブ

ステディーリトリーブは、スーパーソニックのようなバイブレーションプラグを活用する際に非常に効果的なテクニックです。リトリーブを始める前に各ゾーンをカウントダウンし、狙った水深をキープしながら操作することが成功の鍵となります。

引用 プラドコジャパンニュース

もしゾーンが曖昧になってしまうと、バスがどの層でバイトしたのかが分からなくなり、ただ何となく釣れるだけの退屈な釣りになりがちです。また、その日のバスがどの層にいるのかを把握できなくなるため、計画性のある釣りが難しくなるという問題もあります。

トゥイッチング

沈下速度が穏やかなヘドンのソニックのようなバイブレーションプラグを使用する場合、トゥイッチングはとても効果的なテクニックです。また、ステディーリトリーブの途中にトゥイッチングを組み込む方法も有効です。このアプローチにより、ルアーの動きに変化を加えられるため、バスの注意を引きやすくなります。

引用 プラドコジャパンニュース

特に浅いエリアでは、ゆったり沈むソニックの特性を活かして、ワームのようにホップさせたり、魚を誘う動きを加えることができます。これによって、バスの視覚的・動的な興味を引き出すことができ、より効果的な釣りにつながりそうです

ボトムホップ

沈下速度が遅いスーパーソニックでは深い水深では効率的ではありませんが、水深の浅いエリアでは使えるテクニックです。

引用 プラドコジャパンニュース

ワームを操るようにスーパーソニックをボトムでホップさせてバスを誘ってください。リズムを変えてアクションさせるのがポイントです。


スーパーソニックのカタログには魚が振動を感じる根拠が記載されていた!

ヘドンにとってスーパーソニックの発売は、まさに企業の命運を賭けた一大プロジェクトでした。このプロジェクトを率いたのが、当時ヘドンの副社長であり、後にフィッシングライターとしても広く知られるホーマー・サークル氏です。

カタログには、単にルアーのサイズや重量などの基本情報だけではなく、魚が振動によって惹きつけられる科学的な根拠も詳細に記載されています。カタログ内の図には、魚が振動や音を感知する器官の構造がイラストと共に説明され、その学術的な正確さが際立っています。

スーパーソニックのカタログの抜粋

さらに、これらの図や文章を用いて、振動が魚に与える影響を2ページ中1ページを使い、詳細に解説しています。魚が水中で振動や音を感知する仕組みについては、学術的エビデンスを基にした内容で、信頼性の高い情報が提供されています。また、スーパーソニックのプロジェクトチームは、実際に水中に潜って何度も検証を重ね、その研究結果をルアーの改良に活かしていたことが伺えます。

スーパーソニックのネーミングについて、ヒロ内藤さんに教えてもらいました

2025年の大阪フィッシングショーでは、ヒロ内藤さんとチャック・ヘドン氏が選んだリミテッドカラーのトーピードの話題から脱線し、マーケティング戦略の話から、ホーマー・サークル氏がスーパーソニックのネーミングをどのように考案したかという興味深いエピソードが語られました。

当時、スーパーソニック・プロジェクトではルアーのネーミング案を社員からも募ることが決まりました。ホーマー・サークル氏自身も四六時中このルアーの名前について思案を重ねていたようです。

その時代、超高速で飛ぶ飛行機が次々と誕生し、「マッハの時代」と呼ばれるようなスピード革命が人々の注目を集めていました。

ある日、彼がアメリカンフットボールの開会式をテレビで見ていた際に、低空飛行する飛行機が会場を盛り上げる光景を目にします。このインパクトある場面に刺激を受け、彼は高速飛行や音速(ソニック)という概念を模索しはじめました。

そして、時代背景を反映した「超音速(スーパーソニック)」というネーミングが誕生したのです。


ヘドン スーパーソニックのスペック!

1957年のカタログによると、ヘドンの「ソニック・スプーク」「スーパーソニック・スプーク」という2つのモデルが紹介されています。

シリーズ385のソニックは全長が1と5/8インチ、重さが3/8oz、フックサイズは♯6という仕様で、カラー展開はSD、L、DD、B、Y、SFの6色がラインナップされていました。一方、シリーズ9385のスーパーソニックは全長2と1/4インチ、重さ1/2oz、フックサイズは♯4が搭載されており、こちらもY、CR、EC、L、RH、CRの6色が展開されています。

1957年のカタログの抜粋

ソニックシリーズは発売当初ノンラトル仕様だったものの、1980年代にはラトル機能を搭載した「ラトリンソニック」が販売されました。この進化は、当時のラトル機能の流行を取り入れた結果だったのでしょうね。時代のニーズを反映させた変化が面白いですね!


ヘドン スーパーソニックの偽物と本物の違いは?

スーパーソニックには、本物と偽物の話題が頻繁に聞かれる興味深い背景があります。ソニックの模倣品が多いため、その違いを断言するのは難しい部分もありますが、ボク自身の手元にも模倣品があったので比較してみました。

筆者撮影 上が本物のスーパーソニック 下が偽物

写真では、本物のヘドン社製ソニックが上部に、偽物のソニックが下部に写っています。まず見た目の違いから言うと、稲妻マークのデザインが異なります。本物はNの形状に似ているデザインで、偽物はMの形状に近いデザインです。ただし、1957年のカタログに掲載されているソニックの稲妻マークはMのようなデザインである点は、少しややこしいですね。

筆者撮影 HEDDON SUPER SONICのステンシル

次に、本物のボディと偽物のボディを比較すると、偽物の方が厚みがあり、全体的にずんぐりむっくりしたフォルムを持っています。また、ヒートンの質も異なり、偽物のヒートンは貧弱な設計がされています。一方で、本物のヒートンはボディに埋め込むようなデザインが特徴的です。そして、本物には明確な証拠として、ボディに「HEDDON SUPER SONIC」とステンシルプリントが施されている点が見逃せません。


おわりに

今回はヘドン社のスーパーソニックについてのインプレッションをお届けしました。このルアーは、ボクが子供の頃には釣り教則本で必ずと言っていいほど紹介されていたバイブレーションルアーで、稲妻マークと独特なボディデザインで、多くの少年バサーの心を掴んだ存在です。

しかし、当時は高価で手に入れるのは難しく、周囲で持っている人はほとんどいませんでした。たまに見かけても、それはコーモランのソニックにそっくりなルアーだったことが多かったように思います。

廃盤となり今では見る機会も少ないスーパーソニックですが、これほどノスタルジックな思い入れが強いルアーはなかなかありません。もし機会があれば、コレクションの一つとして再び手に入れたいですね。

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また、Amazonからキンドル本「アメリカンルアーの歴史と起源」を販売しています。ルアーの誕生秘話や歴史に興味がある方は一読して下さい。キンドル・アンリミテッドに契約されている方は0円で読むことができます。

「その名は超音速!」ヘドン スーパーソニックのインプレ!の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。

では!! よい釣りを(^O^)/


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