バスフィッシングを愛されているアングラーのみなさん、こんにちは!今回の釣りたいバス釣り日記は、ヘドンの「タイガー#1020」を徹底インプレッションしたいと思います。
バスフィッシングの世界には、時代を超えて語り継がれる“伝説のルアー”がいくつか存在します。その中でも、ヘドン社が1967年に世に送り出した「タイガー#1020」は、独特なデザインと多彩なアクションで今なお多くのアングラーの心を惹きつけてやみません。
少年時代、リアルな魚型ルアーに惹かれていたボクにとって、タイガーは少し異質な存在でした。ギザギザのリップに頭でっかちなフォルム、そしてプラスチック素材――当時はその魅力に気づくことができず、使い方も分からずに敬遠していたのが正直なところです。
しかし、年月を経て改めてタイガーを手に取ってみると、その設計思想の奥深さと、ルアーデザインとしての完成度に驚かされます。リップとボディが一体成型された構造は、耐久性と浮力を両立させ、独特なロールアクションを生み出すための工夫が随所に施されています。
トゥイッチングによるダイブと浮上、ウェイキングによるV字波の演出、そしてストップ&ゴーでの“気の抜けたような”スライドアクション――どれを取っても、タイガーならではの個性が光ります。
この記事では、そんなヘドン タイガー#1020の魅力を、筆者自身の実釣体験を交えながら徹底的にインプレッションしていきます。廃盤となった今だからこそ、改めてその価値を見直し、タイガーが持つ唯一無二のポテンシャルに迫ってみましょう。あなたのタックルボックスに眠る“あのルアー”が、再び輝きを放つきっかけになるかもしれません。
では!! 懐かしの名作「ヘドン タイガー#1020」を徹底インプレ!の始まりです(^O^)/
「ヘドン タイガー#1020」を使ってみた!驚きのアクションと実釣レビュー
2025年9月、久しぶりにヘドン社の名作ルアー「タイガー#1020」を手に取り、実釣に臨みました。現在では製造が終了し、希少性から高価なルアーとなってしまったため、長らく使う機会がなかったのですが、水面に投げ込んだ瞬間、かつての記憶とともに新たな発見が次々と浮かび上がってきました。
全長3.1/4インチ、ウェイト3/8ozというスペックは、キャスタビリティにおいて申し分なく、狙ったポイントへ気持ちよく届いてくれます。フロントフックはサーフェスリグで取り付けられており、クラシカルな雰囲気を漂わせるその佇まいは、まさに“オールドヘドン”の魅力を体現しています。
手にした瞬間から、ただの道具ではなく、歴史と物語を背負った一本であることを実感させてくれるルアーです。

タイガー#1020の特徴のひとつが、リップとボディが一体成型されている点です。この構造により、衝撃に対する耐久性が高く、同時に優れた浮力も確保されています。さらに、リップの形状は非常にユニークで、取り付け位置がボディの後方にあるため、トゥイッチングを加えると大きなロールアクションが生まれ、ボディ全体が独特な揺れを見せてくれます。
ただし、連続したトゥイッチによる多段引きでは、タイガーが水面に飛び出してしまうことがあり、扱いづらさを感じる場面もあります。そのため、トゥイッチは連続ではなく、2回ほどのアクションで一度ダイブさせた後、しっかりと水面まで浮かばせてから次のアクションに移るような使い方が効果的です。
また、タイガーのリップは水を掴むタイミングにムラがあり、掴んだ瞬間にはしっかりとアクションが出る一方で、掴まない時には“気が抜けたような”スライドアクションが発生します。この不規則性こそが、タイガーならではの魅力であり、魚に対してナチュラルかつ予測不能な動きを演出してくれるのです。

タイガー#1020をジャーキングで使用すると、リップにかかる水圧が抜けてしまい、まるで暴れ馬のように制御が難しくなります。アクションが予測不能になり、狙った動きを出すのが困難になるため、僕自身はジャーキングでの使用は避けています。
一方で、ステディーリトリーブでは安定した動きが得られるものの、タイガー特有の不規則なアクションはあまり出ません。しかし、ストップ&ゴーを取り入れることで、途中で“気が抜けたような”独特のアクションが生まれ、魚に対してナチュラルな違和感を演出できます。

さらに、ロッドティップを上げてスローリトリーブを行うと、水面にV字の波を立てながらウェイキングアクションを見せてくれます。この動きは非常に魅力的で、タイガーの持つ多彩なアクションの中でも、僕にとっては最も“しっくりくる”使い方です。
ヘドン タイガーといえば、設計思想に裏打ちされた多彩なアクションが魅力のルアーですが、ウェイキングでの使用はそのポテンシャルを最大限に引き出してくれると感じています。
「ヘドン タイガー#1020」を楽しむ為のタックルセットアップ!
ヘドン タイガー#1020を存分に楽しむために、今回組んだタックルセットアップは、ロッドにヒロイズムの「カリプソLJ2」、リールにはダイワの「スティーズCT」、そしてラインはシルバースレッド・クランキング15lbをスプールして使用しました。
タイガーは3/8ozのウェイトがあるため、キャスト性能と操作性のバランスを考慮して、ミディアムライトクラスのファーストテーパーのロッドを選択。ウェイキングをメインに使うのであれば、6フィート半程度のロッドでも十分な飛距離が稼げますが、ピンスポットを狙ったり、ルアーに繊細なアクションを加えたい場面では、6フィートまでのショートロッドの方が圧倒的に扱いやすく感じます。
このセットアップは、タイガーの持つ多彩なアクションを最大限に引き出すための“操作性重視”の構成です。特にウェイキングでの使用時には、ロッドティップの細かな操作がアクションの質に直結するため、ショートロッドの選択が正解だったと実感しています。

リールに関しては、ノーマルギアでもハイギアでも好みに応じて選んで問題ないと思います。ボク自身は、手返しの良さとラインスラックの回収速度を重視して、ハイギアのベイトリールを愛用しています。
ラインを20lbまで太くする場合は、Φ34スプール程度のロープロファイルなベイトリールが扱いやすく、キャスト性能とライン容量のバランスが取れていて安心感があります。特にカバー周りやビッグバス狙いでは、太めのラインとしっかりしたスプール径の組み合わせが心強いですね。
最近では、Φ32スプールのロープロファイルリールも登場しており、サイズ的にも取り回しが良く、オールマイティに使える点で非常に魅力的です。状況やルアーの重さに応じて、リールのギア比やスプール径を柔軟に選ぶことで、タイガーのポテンシャルをより引き出せると感じています。

かつては、すべての釣りにおいて20lbのナイロンラインを使用していました。太めのラインは安心感があり、特にビッグバスとのファイトではその強度が頼りになります。しかし、近年では低伸度タイプのナイロンラインが登場し、より繊細なルアー操作が可能になったことで、ライン選びにも変化が生まれました。
たとえば、1/4ozクラスの軽量ルアーを扱う際には12lbラインを選ぶことが多くなり、今回のようにタイガー#1020(3/8oz)を使用する場合は、15lbラインがちょうど良いバランスだと感じています。キャストのしやすさ、アクションの伝達性、そして水中でのナチュラルな動き――それぞれの要素を考慮すると、細めのラインのメリットは大きいです。
とはいえ、やはりデカバスとの真剣勝負を想定するなら、20lbラインの安心感は格別です。根掛かりやカバー周りでの強引なやり取りにも耐えられる太さは、精神的な余裕にもつながります。状況やルアーの重さ、狙う魚のサイズに応じて、ライン選びを柔軟に変えることが、釣果への近道だと改めて実感しています。
1967年誕生!「ヘドン タイガー#1020」のスペックと誕生の歴史!
1960年代、エアーガンで名を馳せたデイジー・マニュファクチャリング・カンパニーに吸収されたヘドン社は、革新の一手として新型ルアー「タイガー」を市場に投入しました。従来のヘドン製品とは一線を画すその攻撃的なデザインとコンセプトは、当時のカタログでも強烈なコピーで紹介され、アングラーの注目を集めました。
「凶暴なる新鋭ヘドン・タイガー、殺戮本能を備えた新作ルアーは常に獲物を狙い…いつでもストライクの準備ができている!」
この一文からも、タイガーが“攻めのルアー”として位置づけられていたことがよく分かります。単なる釣具ではなく、獲物を仕留めるための“武器”としての存在感が強調されていたのです。
カタログには、タイガーのアクション性能についても詳細に記載されており、トゥイッチングによって水面で魅力的な動きを演出できること、リトリーブでは早巻きで中層をトレースする使い方と、低速リトリーブによるウェイキングアクションの両方に対応していることが紹介されています。これにより、タイガーは非常に汎用性の高いルアーとして設計されていたことが分かります。
また、ヘドンは1964年に「コブラ」というラパラ風のルアーをリリースしていますが、そこからさらに進化させ、ヘドン独自のミノーとして再構築されたのが「タイガー」だとボクは考えています。単なる模倣ではなく、独自の設計思想と流体力学的なアプローチを取り入れた革新的なモデルだったのです。
このように、タイガーは奇抜な見た目だけで語られるべきルアーではありません。時代の先端を行く技術と思想が詰め込まれた、まさに“ヘドンの挑戦”を象徴する一本。今なお多くのアングラーに愛され続けている理由は、こうした背景にこそあるのではないでしょうか。

さらに、シンカーを追加することで、タイガーはディープゾーンをトローリングで攻略することも可能です。カタログにもその旨が記載されており、見た目以上に多彩な使い方ができるルアーであることが分かります。水面から中層、そして深場まで、状況に応じたアプローチが可能な懐の深さは、タイガーならではの魅力です。
タイガーの象徴とも言えるのが、クリスマスツリーのような形状をした独特なリップ――通称「ターボスロット」。このリップはボディと一体成型されており、設計には流体力学的な視点が取り入れられています。カタログには「生き餌以上に魅力的な乱流を生み出す」と記されており、単なる見た目の奇抜さではなく、科学的根拠に基づいたアクション設計が施されていることが分かります。
また、ボディ内部には反射板(スキン)が搭載されています。一般的には集魚効果を狙った構造と思われがちですが、ヘドンのカタログではその目的を「ボディの強度向上」と明記しており、耐久性と構造美を両立させた設計思想が垣間見えます。
こうした細部にまでこだわった設計は、タイガーが単なる“レトロなルアー”ではなく、当時としては非常に先進的なコンセプトを持ったプロダクトだったことを物語っています。
ヘドン タイガーのスペックとシリーズ
1967年、ヘドン社は「タイガー」を3タイプ・7色のラインナップで発売しました。翌1968年には1ozサイズの「ビッグタイガー」が追加され、ビッグタイガーは1971年まで製造が続けられます。なお、最小モデルである#1010は後に「タイガーカブ」として再命名され、愛嬌ある存在として親しまれるようになりました。
| 名称 品番 | レングス | ウェイト | フックサイズ |
| タイガーカブ(#1010) | 2-3/8 | 1/4 oz | No.8 |
| タイガー(#1020) | 3-1/4 | 3/8 oz | No.4 |
| マグナムタイガー(#1030) | 4-1/4 | 1/2 oz | No.2 |
| ビッグタイガー(#1040) | 5-1/4 | 1 oz | No.2 |
タイガーは、単なる懐古的なルアーではないと感じました。現代のフィールドにおいても、実際に使ってみると驚くほど多彩なアクションを見せてくれる逸品です。特に、独特なリップ形状と設計思想が生み出すアクションは、他のルアーにはない魅力を放ちます。
だからこそ、タイガーの復刻を心から願わずにはいられません。単なる懐古ではなく、今も現役で通用する性能を持つこのルアーが、再び多くのアングラーの手に届く日が来ることを切に望みます。タイガーの“ロールアクション”が、もう一度現代のフィールドで輝きを放つことを願って――。
おわりに
ヘドン タイガー#1020は、ただの古いルアーではありません。独特なリップ形状と一体成型のボディが生み出す多彩なアクションは、現代のルアーにはない“遊び”と“余白”を感じさせてくれます。使いこなすには少しコツが必要ですが、その分、アングラーの技術と感性が試される奥深い存在でもあります。
もしタックルボックスの片隅に眠っているタイガーがあるなら、ぜひもう一度水に投げ込んでみてください。きっと、あの頃とは違う表情を見せてくれるはずです。そして、あなた自身の釣りのスタイルにも新たな発見があるかもしれません。
ルアーは進化し続けますが、タイガーのような“語れるルアー”は、いつの時代も特別な輝きを放ちます。そんなルアーを使って得た一匹との出会いが、釣りの楽しさをもう一段深くしてくれる――それが、タイガーの魅力なのかも知れません。
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懐かしの名作「ヘドン タイガー#1020」を徹底インプレ!の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。
では!! よい釣りを\(^o^)/


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