ベイトリールは正式にはベイトキャスティングリールといいます。ベイトリールの特徴は大型の重いルアーを扱う事に向いています。理由はリールの構造上ウィンチのように力強くラインを巻き取る事が出来るからです。
また、ベイトタックルは障害物濃いカバーを攻めるのに適しており、スピニングリールではトラブルが増える太いラインをスプールするのに適したリールです。
ベイトリールは初心者の方が使うのに慣れが必要なリールでもあります。理由はキャスティングの際にバックラシュというトラブルが起こるからですが、最近のベイトリールは高性能なので、初心者でも扱いやすくなっています。
今回の記事ではベイトリールの使い方や構造そして基礎知識を学ぶ事ができます。ベイトタックルを使う事で、バス釣りが更に楽しいゲームになっていきますよ。
では!10分で学べる!バス釣りでのベイトリールの使い方と基礎知識の始まりです(^O^)/
ベイトリールの使い方! オーバーヘッド・キャスティングに大切な3つの支点
オーバーヘッド・キャスティングで重要なのは、キャストしたルアーが左右にブレずに直線的に飛ぶことです。これには3つの主要な支点が関わっています。
キャスティングが不安定になると、目標とするポイントへルアーを正確に投げることができません。右利きの方は、右側に壁があると想像しながらロッドを振ることを試してみてください。その後、A、B、Cの3つの支点に注意を払いながらキャスティングを行いましょう。
3つの支点を意識したキャスティングとは、狙ったポイントに向かって正面に立つことです。右利きの人は、右足の親指をA支点とし、脇を締めて右腕の肘をB支点として意識します。そして、ロッドを持つ右手の小指をC支点とし、これらの支点を狙ったポイントに向けて一直線上に配置することで、ブレの少ない正確なルアー投げを実現できます。
では、具体的にキャスティングの動作を5つのステップに分けてみていきましょう。
1、3つの支点と壁を意識して立ち リールのクラッチを切る
2、ロッド・ティプからルアーを20センチ程、垂らしす
3、ロッドを後ろに振りかぶるり、ルアーの重さを感じながらロッドを前に戻す
4、ロッドが耳の位置を通るタイミングでスプールを抑えていた親指をはなす
5、飛んでいくルアーを確認しながらポイントに近づいたら、親指でスプールを軽く押さえて(サミング)静かにポイントに着水するようにします。
ルアーをキャスティングした際にライナーで飛んでいき、目の前で落ちるのは、動作4番のタイミングが遅れているためです。逆に、ルアーがフライで飛んでいく場合は、ルアーを離すタイミングが早すぎるということになります。
サミングはルアーの飛距離と着水速度をコントロールする技術です。最新のベイトキャスティングリールは高性能で、適切にセッティングすればバックラッシュの発生も少なくなります。バックラッシュを恐れずに繰り返しキャスティングを試みてください。練習を重ねれば、確実に上達します。
オーバーヘッド・キャスティング時のベイトロッドの握り方
手首をひねって右利きの方は右ハンドルのベイト・リールのハンドルが上に向くように握ることで手首の可動域が広がり楽にキャスティングが行えます。
ハンドルを横にしたまま、手首をひねらず握った場合可動域が狭くなりキャスティングの動作がスムーズに行う事ができません。
リトリーブ時のベイトロッドの握り方
キャスティングの後、リールを巻いてルアーを動かすか回収する際には、ロッドを右手から左手に持ち替えます。このとき、小指と薬指の間にロッドのトリガーを挟むように持つのが良いでしょう。
この持ち方でロッドとリールを持つ事でバスの強烈な引きに対してもロッドとリールがすっぽ抜けることなく、しっかり握る事ができます。
親指はリールの上部に置きしっかり握り込んで下さい。リールを包み込むように握る事をパーミングといいます。
「ベイトリールとは」バスフィッシングで使うベイトリールの誕生の歴史!
ベイトリールとはどの様な歴史を辿って来たのでしょうか?1651年のトーマス・バーカー著のThe Art of Anglingの中にはベイトリールの元になったモノはパイクのトローリングで使われていたベイトリールが起源と考えられています。当時はウインチと呼ばれていたようです。
英国で生まれたベイトキャスティングリールはその後アメリカに渡り1820年ぐらいまでは英国のリールを使用して釣りをしていましたが、アメリカでもベイトリールを制作されます。
アメリカでのベイトリールの発展の流れはニューヨークとケンタッキーの2つに別れ、ケンタッキー州、パリスに住む時計作り兼、銀細工の職人で釣り師だった、George Snyder(ジョージ・スナイダー)は、1810年頃に真鍮を加工したバス釣り用のベイトキャスティングリールを製作します。
ベイトリールとスピニングリールの違いを知ろう
ベイトキャスティングリールとスピニングリールの特徴と違いを理解する為に下記の表を参考にして下さい。
ベイトキャスティングリールの特徴 | スピニングリールの特徴 |
ロッドへの取付け位置が上向きに取り付ける | ロッドへの取付け位置が下向きに取り付ける |
ベイトリールのラインの放出はスプールを 回転させて放出しす。直線的にラインが放出する 事により ラインがガイドの接触が少ないので飛距離が出ます。 | スピニングリールはラインの放出はスプー固定された 状態で放出します。 コイル状にラインが放出する事によりラインが ガイドに接触するので飛距離が落ちます。 |
ベイトリールは構造上ラインの巻き上げ力が強いので 水の抵抗を受けるルアーを使うのに優れています。 | スピニングリールは構造上巻き上げる力が弱い為に 水の抵抗の大きいルアーの使用には不向きです。 |
ベイトリールのメリットとして上げられるのは太いラインをスプールする事ができ巻き上げの力が強くポイントに投げ込む際のキャストコントロールのしやすさやキャストの手返しの良さがあげられます。
ベイトリール扱う上で慣れるまでバックラッシュのトラブルがありますが、ブレーキシステムの進化で取り扱いの習得に掛かる時間も短くなっています。
また、5gを下回る軽いルアーをキャストするのがスピニングリールと比べて難しくなる点があげられますが、最近はスプールの軽量化の技術が進みベイトフィネスリールが登場したのでスピニングと同じように軽いルアーを扱う事ができます。
なので、技術の進歩でベイトリールは扱いやすくなっているので、ベイトリールは頻りが高いと思わずに使って貰えると思いますし、バスフィシングではベイトタックルを使う事が多いのでチャレンジして下さい。
ベイトリールのハンドルの長さが変わる事でルアー選びも変わって来ます!
ベイトリールのハンドルの長さが変わる事で感じる感覚は以下の2点です。
・ハンドルが短い デリケートなリーリングが出来る
・ハンドルが長い トルクフルなリトリーブが出来る
ボクがバス釣りを始めた80年代にはベイトリールをカスタムする為のパーツは販売されていませんでした。しかし、90年代以降からリールのカスタムパーツが登場して釣り方の幅を広げる役割を担っています。ベイトリールのハンドルも長さの長いモノから短いモノまで付け替えられる様になりました。
ベイトリールのハンドル長さによる特徴は短い側はリトリーブが繊細に行う事が出来るのでストップ&ゴーなどのリトリーブテクニックをする場面でやり易くなります。
ハンドルが長いモノはトルクフルなリトリーブが出来るので巻き抵抗のあるルアーや瞬間的なリトリーブを行ってもトルク負けしません。
トルクの要る釣りで使うベイトリールは長いハンドルが標準装備されていますし、通常の釣りをするリールには短いハンドルが標準で取り付いています。しかし、エキストラハイギアのモデルには巻き抵抗を抑える為に長いハンドルが付いているリールもあります。
ベイトリールでのトラブル! バックラッシュの原理を知ろう!
バックラッシュの事をアメリカではプロフェショナル・オーバー・ランニングと言います。キャストの上手なバスプロでもやってしまうトラブルです。
バックラッシュが起こる理由はキャストした時に飛んでいくルアーに空気抵抗が掛かり、ラインを引っ張って放出していたルアーが着水しますが、慣性力が働くスプールの回転力は落ちることなくラインを放出し続けて回転します。
その結果、スプールに巻いている内側のラインが外側に追い越してしまう現象がバックラッシュです。
通常釣りをしていてバックラッシュが起こる要因はキャストの際のロッドを振るスピードにあります。余分な力をこめて振るとキャスト距離とロッドをパワーとのバランスが崩れて起こっていると考えられます。なので正しいキャスティングを身につける必要があります。
バックラッシュはリールのセッティングとキャスティングのパワーが整っていれば、サミングをしなくてもバックラッシュすることなく、ルアーが着水させる事ができますのでリールのブレーキセッティングを見直す必要があります。
ベイトリールのギア比の特性を知ることでルアー操作に差が生まれる
ローギアタイプの特徴 | ラインの巻き取り長さが短い・リトリーブ時の抵抗が小さく感度が鈍い |
ハイギアタイプの特徴 | ラインの巻き取り長さが長い・リトリーブ時の抵抗が大きく感度が鋭い |
ベイトリールの歴史をさかのぼると19世紀のアメリカではリールの標準機となるベイトリールを時計メーカーのジョン ハードマンが当時のギア比としてハイスピードの4対1のリールを制作します。
現在のベイトリールに比べてかなりローギアだったことが分かります。ベイトリールはメーカーにもよりますが、ローギアモデルで5対1~6対1、ハイギアになると7対1や10対1が販売されています。
ベイトリールのギア比を選ぶ事で大切になるポイントはリールの巻き取り距離によるルアーの移動スピードとルアーの巻き抵抗を軽減する事の2つの点があげられます。
ベイトリールのギア比が6対1や7対1と上がる事でスプール径にもよりますが同じシリーズのベイトリールではハンドル一回転のラインの巻き取り量が多くなります。巻き取り量が増える事はルアーの移動距離も伸びます。
ギア比が低いベイトリールを使うとリトリーブ抵抗の大きいクランクベイトなどのルアーを使うとリトリーブ抵抗は小さいですがボトムや障害物にぶつかる感触が鈍くなります。
逆にギア比が高いリールを使うとリトリーブ抵抗は大きくなっていきますが、ボトムや障害物にぶつかる感触が鋭く感じます。
また、バスの活性が低くルアーをゆっくり動かしたい場合はハイギアをゆっくり巻いても使えますがローギアタイプの方がピッチが上がらずに使えます。
ハイギアしか持っていない場合の対処法としてはスプールへのラインの巻き取り量を減らす事でスプールの軸に近い直径でラインを巻き取るので一回転辺りのラインの巻き取り量を少し減らす事ができるのでルアーの移動距離を抑える事ができます。
逆に夏後半から秋のバスを狙うのに動きの速いルアーが効果的なのでリールのギア比を上げると良い結果が得られます。季節によるバスの状態やルアーの使用法によってベイトリールのギア比を変えて選びましょう。
ベイトリールでのキャスティングの基本はオーバーヘッドキャスティング
ベイトリールを使ったキャスティングの基本はオーバーヘッドキャスティングです。オーバーヘッドキャスティングを習得したら90度ズラしたサイドハンドキャストやバックハンドキャストにチャレンジしてください。
ピッチングやフリッピング等の特殊なキャスティングもありますが、基本となるオーバーヘッドキャスティングを身につけましょう。ベイトタックルでのキャスティング理論は以前に書いた記事を参考にして下さい。
最近のリールのブレーキ性能はとても良いのでブレーキを強めにセッティングすることで初心者の方でもキャスティングする事ができます。
日常の注油とグリスアップが大切! ベイトリールのメンテナンス
ベイトリールのメンテナンスは快適にバスフィッシングをする上でとても大切です。バスフィッシングは淡水で行うので釣行後に真水でリールを洗う必要はありませんが、定期的にベアリング等に注油する必要があります。
ベイトリールのメンテナンスに使われる油には大きくオイルとグリスの2つがあります。オイルの方はベアリングに注油するもので粘度はサラサラしているのが特徴です。
グリスはレベルワインダーなどの稼働し続ける部分に注油するもので粘度が強いのが特徴です。リールメーカーの説明書に従い注油し指定のオイルとグリスを使う事をおすすめします。
最近のリールはメーカー指定のオイルやグリスを使わなかったり、自身でリールを分解するなどの行為をすると故障した時にメーカーの保証が受けられなくなるトラブルが発生するので気を付けましょう。
通常はリールを使う頻度にもよりますが、3回程度の釣行でベアリングへの注油をするといいと思います。グリスは粘度があるのでもう少し注油する頻度は少なくなります。
メンテナンスをして3ヵ月以上の間、釣りに行かずリールを使用せずに放置していたリールを使用する場合には再度ベアリングに注油する事で故障を防ぎます。
おわりに
今回はベイトキャスティングリールの歴史や機能などの基礎知識を紹介しました。ボクがバスフィッシングを始めた時代はスピニングタックルを使った釣りは略ありませんでした。
バスフィッシングはベイトキャスティングリールで行うのが一般的でした。リールのブレーキセットアップからサミングコントロールが自分で調整が出来るまでキャストの練習をしながら釣りを楽しんでいた当時が懐かしいです。
80年代の当時から自動でサミングするリールが販売されないかと友達と話していましたが、今ではSVやDCというバックラシュを制御する近未来なブレーキシステムのリールも登場しています。
今回の記事を読んでベイトキャスティングリールを使ったバスフィッシングに興味を持ってもらえると嬉しく思います。
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