「赤星鉄馬の軌跡!」日本のブラックバス100周年に乾杯!

バスフィッシングの偉人達

バスフィッシングを愛されているアングラーの皆さん、こんにちは!今回の釣りたいバス釣り日記は、日本に、バスフィッシングの種を撒いて下さった人物、「赤星鉄馬氏」を紹介します。

今年、2025年はバスアングラーにとって大切な年になります。ブラックバスが初めて芦ノ湖に放流されて、100周年という記念すべき年だからです。

赤星鉄馬(あかぼし てつま)は、日本にブラックバスを初めて移植した人物として知られています。彼は明治16年(1883年)に東京で生まれ、アメリカで教育を受けた後、日本に戻り、様々な事業を手掛けました。

赤星鉄馬は、釣りと馬の研究そしてバラの栽培を趣味としており、特にブラックバスに強い興味を持っていました。彼はブラックバスが日本の河川や湖沼の生態系に適していると考え、1925年(大正14年)に芦ノ湖に初めてブラックバスを放流しました。

彼の目的は、釣りの楽しみを多くの人々と共有することだけでなく、ブラックバスが日本の水産業や副業としても利益をもたらすと信じていました。今日、赤星鉄馬の努力と信念により、日本のバスフィッシング文化が発展し、多くの釣り人に愛されるようになりました。

では!! 「赤星鉄馬の軌跡!」日本のブラッバス100周年に乾杯!の始まりです(^O^)/


日本にブラックバスを持ち込んだ、赤星鉄馬とはどの様な人物なのか

赤星鉄馬は、アメリカで多岐にわたる教育を受けました。彼はまず、ローレンスビル・スクールに入学し、その後ペンシルベニア大学に進学しました。ペンシルベニア大学では、経済学やビジネスに関する知識を深め、1908年に卒業しました。

彼のアメリカでの教育は、後に日本での実業家としての成功に大きく寄与しました。特に、彼の経済学やビジネスの知識は、彼が日本に戻ってからの事業展開や、ブラックバスの移植プロジェクトなどに活かされます。

赤星鉄馬と婦人

余談ですが、赤星鉄馬氏は、新婚旅行で世界一周をしています。彼は1910年に大阪の開業医の娘と結婚し、その後、政府関係者に随行して夫婦で世界一周の新婚旅行を行いました。

この旅行は、当時の新聞などに報道された形跡がないため、イギリスに本社を置く旅行会社グループである、クック社(Thomas Cook Group)が企画した、親しい仲間内の私的旅行であったと推測されています。


『赤星家売立』とは、

『赤星家売立』とは、赤星鉄馬の父である赤星弥之助が保有していた美術コレクションを売却した出来事を指します。1917年(大正6年)に行われたこの売立は、総額5,100,000円以上の高額な落札額を記録し、当時の最大規模の売立となりました。

赤星弥之助は、軍需商人として巨万の富を築き、その資金で日本美術を買い占め、鑑識眼に優れた収集家として知られていました。しかし、息子の赤星鉄馬は美術品に対する趣味がなかったため、コレクションを手放すことを決意しました。

この売立には、後に国宝となった美術品も多数含まれており、赤星家の美術コレクションは非常に高い評価を受けました。


『啓明会』とは、

赤星鉄馬が創立した啓明会(けいめいかい)は、1918年(大正7年)に設立された、日本初の「学術財団」です。啓明会は、教育や研究の発展を支援するために設立され、特に独創的で特異な研究を積極的に支援することを目的としていました。

赤星鉄馬氏は、啓明会の設立にあたり、私財から100万円(現在の貨幣価値にして約20億円)を提供しました。この資金は、美術品売却益の一部を奨学資金として投資したものでした。

啓明会は、教育理想の民衆化、教育の機会均等、教育自治の実現、教育の動的組織などを掲げ、教育改革を推進しました。また、教員組合としての活動も行い、一般労働組合との連帯を図りました2。

赤星鉄馬氏は、啓明会の運営には一切関わらず、親族にも関わらせませんでした。彼はパトロンとしての立場に徹し、設立十年、二十年といった節目の式典においても列席するものの、挨拶を述べることはありませんでした。

啓明会は、近代日本の学術研究の基礎を築いたといっても過言ではなく、設立当時は国内の全研究助成費の五分の一を占めるほどの大きな存在感を示しました。


赤星鉄馬氏のブラックバスに関する研究と活動について

赤星鉄馬氏のブラックバスに関する研究と活動は、以下のような具体的な内容を含んでいます。

  1. ブラックバスの移植: 赤星鉄馬は、1925年(大正14年)に芦ノ湖にブラックバスを初めて放流しました。彼はブラックバスが日本の河川や湖沼の生態系に適していると考え、釣りの楽しみを多くの人々と共有することを目的としていました。
  2. 研究と実験: 赤星鉄馬は、ブラックバスの生態や繁殖に関する研究を行い、その結果を基に移植計画を立てました。彼はブラックバスが日本の水産業や副業としても利益をもたらすと信じていました。
  3. 環境への影響: 赤星鉄馬は、当時の日本の河川や湖沼の生態系が崩れつつあることを認識しており、ブラックバスがその代償として価値ある魚であると考えていました。彼はブラックバスが日本の水域における環境問題の一部を解決する手段としても期待していました。
  4. 芦ノ湖での実験的放流: 芦ノ湖は当時、東京大学の淡水魚実験所があり、鱒の養殖に失敗したことから、ブラックバスの試験的放流に適しているとされました。

赤星鉄馬のブラックバスに関する研究と活動は、日本のバスフィッシング文化の発展に大きく貢献しました。彼の努力と信念により、多くの釣り人がブラックバス釣りを楽しむことができるようになりました。


ブラックバスが、芦ノ湖に放流される事になった理由は

日本にブラックバスを放流する計画当初は、赤星氏の著書の中でも示されているように、最初は、山中湖に放流される予定でした。また、アメリカ政府の許可を得ておこなわれ、帝大の協力も関与している事からある種、国家プロジェクトだった側面もうかがえます。

「最初の私の計画は山中湖に入れることにあったのだが、当時、私が朝鮮に滞在していた関係や帝大(当時の東京大学)の学術研究魚として米国政府の許可を得てあることなどのため、全ての処置を帝大(当時の東京大学)に委嘱した」

芦ノ湖に放流された理由は、当時、芦ノ湖には「東京大学の淡水魚実験所」があり、学術研究のために適しているとされました。

また、芦ノ湖では鱒の養殖が失敗しており、ブラックバスの試験的放流が適当であると判断され、他の水域と隔絶されていた事もあり、ブラックバスが繁殖しても他の水域に広がる恐れが少ないと考えられました。


赤星鉄馬の著書「ブラックバス 赤星鉄馬遺稿」から学ぶ

赤星鉄馬の著書「ブラックバス 赤星鉄馬遺稿」は、彼がブラックバスを日本に移植した経緯やその真意を記した重要な文書です。この遺稿には、彼のブラックバスに対する情熱や、日本の河川や湖沼の生態系に対する危機感が詳細に記されています。

赤星鉄馬

「ブラックバス 赤星鉄馬遺稿」には、当時の日本の水域に関する危機感や、ブラックバスがその代償として価値ある魚であるという確信が記されています。また、彼はブラックバスが釣りの楽しみを多くの人々と共有することを目的としており、そのために芦ノ湖での試験的放流を行いました。


ブラックバス 赤星鉄馬遺稿からの引用

赤星鉄馬氏の著書、「ブラックバス 赤星鉄馬遺稿」からの重要な部分を引用します。

私はこのブラックバスこそ自分の要求する諸条件に当てはまった、一番理想に近い魚だという結論に到達した。言いかえるとブラックバスこそ次の時代の魚である。われわれが「釣りどく」として散々釣り荒らした、または他の理由によって魚族の激減した日本の河川湖沼に、その代償としておくべき、まことに価値あるという確信を得たのである。」

引用部分から受けた感想としては、1925年(大正14年)にブラックバスが、芦ノ湖に放流される以前から、赤星鉄馬氏は日本の水辺の環境破壊について憂いでいた事になります。

また、ブラックバスこそが、次世代の魚として環境に順応していく事で、未来の生態系へ良い循環が生まれると赤星鉄馬氏は考えられていた事が伺えます。

「私自身としては、その主要な目的は、食べてもうまい、釣っておもしろい魚を多くの釣魚家と共に長く楽しみたいということにあるが、同時に、これが水産方面はもとより副業的にみても必ず利益がある。やがてはそれが多少とも国家に貢献し、裨益(ひえき)することだという信念と自負があればこそ、相当な費用も投じ、苦心して承知したのである。〜中略〜 当時の山中湖畔の村人の生計の道は荷馬車の運送、冬期は炭焼きなどであった。」

赤星鉄馬氏は、実業家の視点で物事を考えられていた人物だた事が伺えます。当時、既にブラックバスを使ったレジャーとしての産業の考え方を持っていた事に驚かされます。

赤星鉄馬氏はアメリカで学ばれている事から、アメリカでのブラックバスを使った産業を模索されていたのかも知れません。


おわりに

今回の釣りたいバス釣り日記は、バス釣り界の偉人であり、日本に初めてブラックバスを連れて来てくれた!「赤星鉄馬氏」を紹介しました。最後に、赤星鉄馬のバス釣りに関する名言の一つを紹介します。

「『魚は釣れば釣るほど難しくなる』と我が国のアングラーはよく言うが、これは欧米でも同じことらしい。研究や経験を重ねるほど、様々な事実に遭遇して疑問を深くすることが多いからだろう。釣りを研究することは立派な自然科学の領域であり、その究極には一種の哲学がある」

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「赤星鉄馬の軌跡!」日本のブラッバス100周年に乾杯!の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。

では!! よい釣りを(^O^)/


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