レーベルのポップRはバスプロのゼル・ローランドが使用している事でも有名なルアーです。レーベル社は1964年に設立しますが早い時期からポッパーの構想があったようです。
今回はレーベル社のポップRには様々なエピソードがあるルアーです。ポップRは1976年に販売しますが、人気が無くスグに廃盤になったルアーでもあります。しかし、廃盤になったルアーはシークレットルアーとしてバスプロ達に使われ続けていました。
廃盤になったポップRがゼル・ローランドの発言によって1987年に復活するのですが、その辺りのお話も紹介したいと思います。
では!!「リッククランがゼルに激怒!」レーベル ポップRの秘密と歴史!の始まりです(^O^)/
1976年にレーベル ポップRが登場するが2年でなぜだか廃盤?
レーベル社の創立者のジョージ・ペレン氏は早い時期からポッパーの構想を練っていましたが、ポッパーのサウンドにこだわった為、ポップRのP60が市場に登場するのが遅れたそうです。
ポップRにはベイトフイッシュが逃げる際に出る音を再現したポッパー音とバスがベイトフイッシュを捕食した時に出す空気を掴んだ太い音、いわゆるチャガー音との2種類の音が出せます。
ジョージ・ペレン氏がこの2種類の音をロッドワークによって出せるようにする事に拘ったのでポップRの市場への登場が遅れたそうです。
この辺りのサウンドを作り出す浮き姿勢のバランスが優れているのもポップRの素晴らしい部分だと感じます。
1976年に現在のポッパーの元祖とも言うべきP60が発売されます。不思議な事にポップRは発売されて2年程度で、売り上げが伸びず市場から消えたのですが、後にP60、P70がトーナメントでのシークレットルアーとして話題になります。
リッククランは1983年の夏のUSオープンで優勝した時に使われたルアーがポップR・P60ですその後の1986年にゼル・ローランドがチャタヌーガでのスーパーインビテーショナルで優勝した時に使われたルアーも同じくポップR・P60の改造版でした。
しかし、自身の人気に関わる部分もあり何時までも隠す事が出来ず仕方なくゼル・ローランドはシークレトルアーであるポップRの事を公表、Bassmaster誌の記者、ティムタッカーによって大々的に発表されます。
これによりポップRはバスフィッシング史に残る大ブームが起こります。そして1987年にポップRは市場に戻るというドラマが生まれます。
リッククランと田辺哲男プロとの対談でゼル・ローランドがシークレットルアーであるポップRの秘密をばらした事にリッククランは今も怒っていたのが印象的で笑ってしまいました。
しかし、このポップRの使い方はリッククランが見つけ出した方法ではありません。当時ガイドをしていた時のお客だった若者が行ったポップRを使ったメソッドを見て真似しただけです。では、その辺りを詳しく見て行きましょう。
「リッククランが驚いた!」クライアントの若者が放ったポップRのメソッド
リッククランと若者との運命的な出会いがなかったら、ポップRの復活は無かったのかも知れません。当時のリッククランはトレドベンドでバスフィッシングガイドをして収入を補っていました。
あるガイドでの事、その日の顧客はポップRを結び付けた頑固な若者だったそうです。 リッククランは若者に今日はディープで魚を釣ろうと考えているのでテキサスリグのワームの釣りを試すように言いました。
しかし、若者はリッククランを無視し、水没した藪の上にポップRを投げると、とんでもなく速いペースでポップRをリトリーブし始めた。 リッククランは口を閉ざして、若者はすぐにこの愚かな行為に気付いて私の言う方法で釣りを始めるだろうと思っていました。
若者が2回目、3回目とキャストすると、ビックバスがポップRを飲み込みました。 リッククランはまぐれだと思いました。 しかし、同じことが何度も何度も繰り返されたとき、自分は新しくて素晴らしいテクニックを目撃している事に気づきました。
この事件の直後、東テキサスのアンズタックルは PRADCO (レーベル)にポップRを発注し始めました。 少なくとも144ダースのポップRを発注したようです。
ポップRの素晴らしさに気付いた数名のプロ達は釣具店にポップRが入荷すると、密かにそれらを手に入れました。 ポップRの秘密を知っていたのが、リック・クラン、ボビー・マレー、トミー・マーティン、ゼル・ローランドだったのです。
「リバースエンジニアリング」1977年に発売されたポップR P70が2021年に完全復刻される!
1977年にポップR P70が発売されました。このポップR P70は、とても人気のあるルアーでネットオークションのeBay等では100ドルの落札価格がつくこともあるルアーだそうです。
1987年には復刻されなかったP70ですが90年代に入ると再び特別注文品として再生産されましたが初期モデルのような鉛のウエイトでワンノッカーではなく真鍮ウェイトで制作されたようです。
P70がなぜ人気なのかそれは、このルアーを使ってカバーを果敢に攻めていくカバーポッパーと言う釣りがトーナメントで良い成績を出したからです。ウェイトのあるP70だとカバーへのキャストの精度が上げやすくなるのも理由の一つのようです。
2021年には初期モデルのP70をリバースエンジニアリングで完全復刻したP71が発売されました。ポップR P71はオリジナルのポップR P70を完全に復刻するために当時のP70を3Dスキャンをして金型を起こしなおし、ウエイトやプラスチック素材も当時使用されていたものと同じもので作り上げています。
ヒロ内藤さんの2021年I-CASTのYouTube動画の中でもPOP-R P71が新製品として取り上げられています。動画内でPOP-R P71のボディマテリアルにビュートレットが使用されている事に触れています。
ビュートレットという素材はバンディッドのクランクベイトやスミスウィックのラトリンログのリップの素材にも使われている柔らかい素材です。見た目のディテールの違いは、取り付けられているフロントフックのフックサイズが大きいモノに変更されているのも特徴です。
ウェイトもオリジナルのPOP-R P70で使われていた鉛のウエイトをP71でも使用しているそうです。環境を考えると鉛の使用は考えモノですが鉛のウェイトでしか出せない何かがあるのかもしれませんね。
数年前に売られていたセカンドP70は問屋特注品として売られていたようで、セカンドのP70はラトル音がしない真鍮の固定ウエイトだったようですが、P71はコトコト音がするタイプです。
なので、セカンドP70と比べてP71はラトル音がすると覚えておくとオリジナルを購入した時の確認方法の一つになりますね。
ボクが以前にルアーの金型について書かせてもらいましたが、このように今の技術を使えば、オールドルアーを完全復活させる事は可能なのであります。
「ポップRの種類!」 ポップRファミリーは6種類のラインナップが揃っている
品番 | レングス・ウエイト・フックサイズ | 名称 |
P70 (現P71) | 3.12インチ・9/16oz・♯2・♯4 | |
P65 | 3.0インチ・1/2oz・♯4 | マグナムポップR |
P66 | 31/8インチ・5/16oz・♯4 | スーパーポップR |
P60 | 2.5インチ・1/4oz・♯6 | ポップR |
P61 | 2.5インチ・1/4oz・♯6 | ポップRプラス |
P50 | 2.0インチ・1/8oz・♯8 | ティーニーポップR |
P40 | 1.25インチ | マイクロポップR |
ポップRの種類は最新のP40を加えた6つのタイプでラインナップされていました。バーブレスでシングルフック仕様のマイクロポップR P40は廃盤になったと記憶します。
図を見てもらうと分かりますが、レングスの違いがで大体のポップRの種類は判断できると思います。しかし、P60とP61の違いがよく分からないので触れておきたいと思います。
ポップRP61はグアニウム塗装(Gフィニッシュ)モデルでガラス粒子によるキラキラした塗装が特徴です。P61はP60の浮き角度を浅くし、水中にダイブしにくく左右への動きを出しやすくしたモデルです。P60と使い分けて楽しみたいですね。
おわりに
最後まで読んで頂きありがとうございました。ポップRの秘密とルアーの歴史を知ることでポップRの見方が変わるのではないでしょうか? ゼルローランドはツアー中に釣具店でポップRを見つけると、いつも買い占めていたそうです。プロを虜にするルアーらしいエピソードです。
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「リッククランがゼルに激怒!」レーベル ポップRの秘密と歴史!の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。
では!! よい釣りを(^O^)/
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