ルアーの歴史や起源を語る上で外せないのがトラウトフィッシングなどでよく使われるルアーでもあるスプーンです。
スプーンルアーの誕生は1806年にヴァーモント州イースト・ポールトニーに生まれた、ジュリオ・トンプソン・ピュエルという人がスプーンの原型を作った人と言われています。このジュリオ・トンプソン・ピュエル氏は世界で初めてルアーのパテントを取った人でもあります。
スプ―ンの誕生と ジュリオ・トンプソン・ピュエル氏がどの様な人でどのような人生を歩んできたのかを知る事が出来ると思います。
では!「ルアーの歴史と起源 スプーン!」実は誕生したのはアメリカの始まりです(^O^)/
スプーンというルアーの歴史と誕生
実はスプーンの誕生はヨーロッパではなく、アメリカが発祥です。1848年にボモゼン湖で父親と釣りをしていたジュリオ氏のボートが岩にぶつかり、持ってきていた、食器のスプーンを湖に落とし、ヒラヒラと落ちていくスプーンにレイクトラウトがスプーンに食い付くのを見てヒントを得ます。
ジュリオ氏はスグに家に帰りスプーンの柄を切り落としフックをスプーンにロウ付けして湖でトローリングすると、面白いようにトラウトが釣れたそうです。
大漁に釣れたトラウトを街の人たちに見せ回ったところ、このルアーが評判になります。そして、スプーンルアーを作って欲しいと頼まれる事になるのです。
当時の漁師に作っていたスプーンはシルバーのニッケル素材をブレード状に加工し片側を赤く塗りフェザーを付けたトリプルフックを装備したモノでした。
1827年に稼業が毛皮屋だったピュエル家はニューヨーク州ホワイトホールに移り住みます。
ニューヨークの地で知り合ったスピリットオブザタイムズのライターであるフランクフォレスター氏にスプーンを送った所それが高く評価され雑誌に紹介され、たちまちスプ―ルアーが話題になります。
1848年にはジュリオ氏は毛皮屋を辞めて、フィッシングルアー作りを本格的に開始します。そしてジュリオ氏は1852年に釣具史上、初となるルアーのパテントを取得します。
ジュリオ氏は素晴らしいルアーデザイナーでもあり、単なるスプーンにフックを付けたルアーでは機能として発明に値しないと考えます。
そこで厚みのあるスプーンにチャンバーを設けてチャンバーに入れた水の量でスプーンの泳ぐ層を調整する機能をルアーに施しました。
更にジュリオ氏はスプーンに機能を追加します。1854年には既に障害物回避を考えてウィードガードワイヤーを取り付けたスプーンのパテントも取得しています。
ルアーの品質にこだわり抜いたジュリオ・トンプソン・ピュエル!
ジュリオ氏は高品質のルアーを作るため、彼の異母兄弟である宝石商のチャールズ・パイクを品質管理者に任命しました。 チャールズは製品の製造に最高級の素材のみを使用しました。
ブレードには磨かれたニッケル、ニッケルメッキのフック、ピアノ線、そして本物の水鳥の羽を使ったフェザーフックです。ルアーの品質の高さと釣果により、宣伝することもなく急速に広まり、ビジネスは成功しました。
彼は、1876年にフィラデルフィアで開催されたセンテニアルセレブレーションで彼にスポーツフィッシングへの貢献に対してのメダルを授与されました。
J.T. ジュリオ は、発明家、実業家だけでなく、他の多くの活動にも従事していました。
彼はサラバーニーと結婚し6人の子供にも恵まれました。彼はまた、1861年から1873年までの税関の副コレクターや監督者を含む公職も歴任しました。
1885年 ルアーメーカーと特許の売却
1885年にジュリオ氏の健康状態が悪化したため、事業と特許をチャールズパイクに売却します。チャールズパイクは1927年にはE.ハモンドに事業を売却しました。
J.T. ジュリオ氏は、チャールズ・パイクに事業を売却してからわずか1年後の1886年5月に亡くなりました。
同社はサラトガスプリングスに移転し、第二次世界大戦まで操業していました。戦後にフランクT.ダンが事業を購入し、ニューヨーク州カントンに移転します。
1967年にはジュリオ スプーン社はミシガン州ディアボーンのEppinger Manufacturingに買収されました。
ジュリオ スプーン社を買収! 1906年から始まるエッピンガー社の歴史!
1906年にはダーデブルで有名なエッピンガー社をルー エッピンガー氏によって設立します。
1885年にチャールズパイクにジュリオ スプーン社は売却されます。会社の売却後、雇われいた技術者の中にルー エッピンガー氏が居たようで退職後に始めたのがエッピンガー社です。
1918年、ルーの甥のエドは叔父の店で働くようになります。 彼らは自社のスプーンであるオスプレイの名前を「Teufelhunden」または「DevilDogs」にちなんでダーデブルに変更しました。
これはドイツ人が第4海兵隊に付けた名前で、1918年のベローウッドの戦いでドイツ人の侵入と捕獲に成功しました。 同盟国は、これらの米海兵隊を「Dare Devils」と呼びました。これが、エピンガー社のスプーンDare Devilsの名前の由来です。
ダーデブルスプーンのロゴマークの悪魔の顔はアメリカ海兵隊Dare Devilsが使用していたようです。意味は無敵、怖いもの知らずだそうです。
その後1967年には ジュリオ スプーン社 ミシガン州ディアボーンのEppingerManufacturingに買収されます。
本物の銀を使うコダワリ! 1900年に創業したジョンソン社の歴史
1900年にシルバーミノーで有名なジョンソン社が会社を設立します。ジョンソン社の創業者、ルイス・ジョンソンはシカゴの鋳造会社を1920年に引退し1923年にはシルバーミノーのワイヤー構造をパテント取得しています。
基本構造はジュリオ・トンプソン・ピュエル氏の製作したスプーンとは変わらず、ワイヤーガードやフックを溶接したデザインでパテント取得しています。
シルバーミノーの発売当初は本物の銀を使用してスプーンを製造していたそうです。シルバーミノーと言えばウィードガードが特徴的ですがルイス・ジョンソン氏が釣っていたフィールドがウィードが多く釣り辛かった為に考え出されたそうです。
常にフックが上を向くようにスプーンの中央にウィードガードを取り付けることで重心が下に行くよう設計されています。
また、このウィードガードを取り付ける位置によって沈下率を抑えた水平フォールを実現しています。この辺は元、鋳物職人だから考え付いた加工方法のようですね。
おわりに
最後まで記事を読んで頂きありがとうございます。ジュリオ・トンプソン・ピュエル氏が作り出したルアースプーンの歴史が学べたと思います。
現在、ニューヨーク州ホワイトホールにあるスケネスバラ博物館にジュリオ・トンプソン・ピュエル氏の製作したスプーンやルアーの広告などが展示されています。更に調べていくとジュリオスプーンが復刻もされているいる事が分かりました。
当時のチャンバー機構の付いた複雑なモデルではありませんが、 ジュリオ・トンプソン・ピュエル氏の姿が彫刻されています。
ボクは今回、 ジュリオ・トンプソン・ピュエル氏のスプーンの歴史をリライトするに当たり、これほどまでに品質にこだわってルアーを作られていた事を知りました。
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1800年代の最初のスプーンが現代のスプーンよりも機能的にも技術的にも優れた物だった事が理解して頂いたと思いますし、スプーンルアーが今も様々な魚種に威力を発揮して釣り人の思い出作りの手助けをしているのです。この記事が参考になれば幸いです。
では!! よい釣りを(^O^)/
コメント
復刻のジュリオスプーン
カッコいい🙂
1800年代に発明された
スプーンがいまだに形を
変えずに残っているのも
凄いことだと思います☺️
次男坊さんコメントありがとうございます😃
1800年代でこの技術ですから本当に当時も高価なモノだったと考えられますね。
ジュリオさんの商品広告を見ているとこの時代で既にダブルルアーが作られているので
魚の競争心やルアーの見せ方なども既に独自で研究されていたんでしょうね🤔
そう考えると現代のルアーフィッシングが型にはまりすぎているのかもしれませんし、
もっと頭を柔軟に固定概念を捨てなければいけませんね😄
ビックリでした。ダーデブルで有名なエッピンガーが(世界で初めて規則正しくウォブリングするスプーンを作ったメーカー)と公表してて、?って思ってましたがジュリオさんの会社から受け継がれてきてたんですね。
ちなみにダーデブルは大好きで僕の令和初バスはダーデブルのデブルドッグと言うスプーンでした。
シゲさんもダーデブルとは渋いルアーでバスを釣られていますね🤔
因みにボクはメーカーは違いますがバッハスペシャルがお気に入りスプーンで
バス釣りに今も使ってますよここだけの話スプーンはヤバイです🤫
スプーンの起源も最初に知ったのはヒロ内藤さんの記事で今回、新たなブログを
立ち上げたので更に調べ直してリライトしました。ジュリオさんのルアーに対する
思考の凄さを改めて感じることができました😄
バッハスペシャルとはまた渋い(笑)僕はサラマンダーの方をたまーに使いますね。
クリアウォーターではスプーンは外せませんよね。
でもどちらも最近は取り引き価格が高騰してると聞いて少しびびって使ってます。
シゲさんコメントありがとうございます。
サラマンダーですかキマシタネ!ボクも使ってます。
バッハスペシャルとサラマンダーは37年ぐらい前に使っていたスプーンで
当時買ったモノが現役で使ってたりするんですよね(笑)
シゲさんのおっしゃる通りバッハもサラマンダーも高騰していますね。