ノイジールアーはコモーションルアーとも呼びます。ノイジールアーの起源は二つのルアーから始まります。フレッド・アーボガスト社のジッターバグとへドン社のクレイジークローラーです。
この二つのノイジールアーは誕生した時代も開発コンセプトも全然違いますがノイジープラグの代表的なルアー達です。
現在も各メーカーからジッターバグタイプと言われるルアーがデザインを変えて販売されていますし、羽モノと呼ばれるクローラータイプも各ルアーメーカーデザインは違いますがどれも基本性能と機能構造はジッターバグとクレイジークローラーと変わりません。
今回はノイジールアーの歴史を見て行きましょう(^O^)/
1920年代にジムドーナリーが作った羽ものルアーWOWが誕生!
1908年にジムドーナリー氏がニュージャージー州にジムドーナリー・ベイトカンパニーを設立します。ジムドーナリー氏はWOWと言うルアーを制作し1926年にパテントを申請されますが、1930年代半ばでジムドーナリー氏は他界し奥さんと娘さんが会社を引き継ぎ細々と会社つづけていました。
しかし、ヘドンにパテントを売却することにします。そして、1940年にヘドンからクレイジークローラーとして販売されます。この時へドンはジムドナリーベイトカンパニーを会社ごと買い取っていますが、会社は閉鎖しているそうで、この辺りの詳細は不明なようです。
ヘドン クレイジークローラーファミリー
ジムドナリーベイトカンパニー時代に作られたWOWとヘドン時代に作られたクレイジークローラーではウィング形状も変更がされ進化していきます。もとはウッドボディでしたが生産性と当時の最新技術だったプラスチック成型によるプラスチック製に移行していきます。
スモールサイズ ♯2100
オリジナルサイズ ♯2120
マスキーサイズ ♯2150
そして♯9120、クレイジークローラースプークと名前が変わります。スプークとはヘドン社のプラスチック製のプラグを示すもので、プラステックが透明だったので幽霊のようだ言う事で付けられました。
クレイジークローラーはいつの間にかプラスチック製を意味するスプークと言う文字が無くなり、現在のクレイジークローラーに名前が落ち着きます。
現在プラドコから販売されているのがウエイトが5/8ozサイズ2 3/8inの♯9120と#0320のタイニークレイジークローラー1 3/4inサイズ1/4ozです。
一時期♯2150マスキークレイジークローラーも復刻された時代もあります。どちらかと言えばコチラの方が現在使われている国産の羽モノルアーの大きさに近いかもしれませんね。
フレッドアーボガスト ジッターバグ誕生
アメリカで最初に釣ったトップウォーターは何なのかとアンケートを取った所はフレッド・アーボガスト社のジッターバグが1位だったそうです。
それだけビギナーに愛されたルアーで幼少時代にアメリカの人はジッターバグをよくラインに結んでいたのが分かります。日本では何故かナマズを狙うのに良く使われていますが古くからバス釣りをしている人はジッターバグはバスルアーのイメージが強いです。
このフレッド・アーボガスト社のジッターバグは1938年にパテント申請されますが、実はもともとはジッターバグはクランクベイトを作ろうとしてフレッド アーボガスト氏が手掛けたのですが失敗してから大分と時間が経ってから生まれたルアーです。
どんなクランクベイトを作ろうとしたかの詳細は不明のようですが、今のジッターバグを逆さまにした形で巻くと潜るルアーを作ろうとしたようです。しかし、バランスが悪く思う様に潜らなかったようで失敗作になってしまいました。
それから10年以上経ったある日、アーボガスト氏は友人と談笑していいる時に失敗作のルアーの事を思い出し、トップウォータープラグなら行けるのではと考えて製作を開始、ジッターバグは1938年に発売される事になります。
ジッターバグのネーミングは音楽のJAZZやスイング、ジルバを聞いて乱舞してる人の姿から付いた名称のようで、まさにジッターバグが動いている姿も水面をダンスしているようですよね。
パテント申請書にはカップが受けた水圧でボディをロールする機能が記載され、カップは単なるブレードではなく、水を掴み、水を逃がす為にカーブ形状にしていると本文には書かれているそうです。
1942年には第二次大戦で金属が不足したので、プラスチック製のカップを搭載したWorld WarⅡモデルのジッターバグも作られました。
フレッド・アーボガスト氏はフックリグについても1940年と1945年に特許を申請しています。このリグをベースに様々なメーカーが独自のフックリグを作ったそうです。このフックリグを作った目的は一枚板からプレスして作られる生産コストが低くできる点を申請しているそうです。
また、フックリグの機能としてはフックの動きを制御しフック同士が絡まないようにしているそうです。
ヘドン ビックバドの誕生
ビックバド#9410は当時は一般には販売されておらず、アン、ハイザーブッシュ社のビールのバドワイザーのノベルティーとして登場します。ノベルティーは少数生産でしたが、ビックバドがよく釣れる事で製品化を望まれる形で市場に送り出される一風変わった経歴のルアーです。
ブッシュ社はヘドン社へバドワイザーのノベルティーを作って欲しいと要望し作られたルアーですが、ヘドンはバスの釣れない、ただのノベルティーは作りませんと一度、この話を、お断りしたそうです。
しかし、ノベルティーはヘドンから出したいと何度もブッシュ社から依頼があり、ヘドンのデザイナーを開発に関与させる事で話はまとまり、ビックバドは製作される事になります。
ノベルティーのビックバドは完成しその後、市場には1975年のヘドン・カタログに登場します。ビッグ・バッドをデザイナーしたのはジャック・デイビス氏です。
その後、へドン社はPRADCOに吸収されビックバドの仕様も変更されます。フックハンガーがヒートンから強度の強いエイト管に変更します。
- (1975 – 1984) スクリューアイハードウェア&垂直印刷
- (1985 – 1997) ”8″ワイヤーフォーム&垂直印刷
- (1998 – 2001) ”8″ワイヤーフォーム&水平ブロック印刷
- (2002 – 2003) ”8″ワイヤーフォーム&水平スクリプト印刷
バドワイザーのラッピングの向きも時代とともに変更されていきます。2002年の年末にPRADCOはアンハイザー・ブッシュ社からビッグバドのルアーのライセンス契約は新年には更新されず、このルアーのすべての販売を停止しなければならなくなります。
その後はSMITHがライセンス契約を取り付けてバドワイザーのラベルのビックバドをスクリューアイ(ヒートン)モデルで復活させます。
ルアーの歴史と起源 ノイジールアー おわりに
今回はのノイジールアーの歴史と起源について記事を書いてみました。ジムドナリー氏が考え出したルアーWOWがほぼ100年前に考え出されて今もなお、各メーカーが機能はそのままにデザインを変えて作り続けている事には驚きしかありません。
WOWと言うネーミングも面白くバスが水面を割って出てきた瞬間のアングラーの驚きが伝わりますしへドンに製造が映ってもクレイジークローラーという狂って泳いでいる(モガイテいる)というネーミングも動きそのものを捉えた面白いネーミングですよね。
ビックバドはへドンのオリジナルのノイジールアーですが、開発の経緯が面白くブッシュ社のノベルティーの担当者が製作依頼を断念していたらビックバドは世に出てこなかったのかもしれませんね。
そんな様々な歴史を持つノイジールアー達でしたがいかがだったでしょうか? これらのルアーを使う時にそんな歴史があったんだよなぁと思ってもらえると嬉しいです。
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ルアーの歴史と起源 ノイジールアーとはどのようなルアー達なのか?の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。
では!!よい釣りを(^O^)/
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