ペンシルベイトの歴史は1931年に登場するザラゴッサが最初ですが、実はペンシルベイトが最古のトップウォータープラグではありません。ヘドン社を創業したジェームスへドンが1890年代後半ごろに工場で働く友人を待っている間、ハンドナイフで木切れを削っていました。
仕事を終えた友人が来たので、その場を去るために削っていた木切れを池に投げ込むとバスが木の破片にバイトするのを目撃します。
この事が切っ掛けとなり、トップウォータールアーの概念が生まれ1898年にカエルの形に似せたウッドプラグ、フロッグを作り出します。
では!! ペンシルベイトの歴史はザラスプークの誕生から始まった!の始まりです(^O^)/
1902年に世界初のトップウォータールアー スロープノーズが販売される!
1902年にジェームス ヘドンは息子のウィル へドンと共にミシガン州ドワギヤックにルアーメーカーのジェームス ヘドン&サンを設立しトップウォータープラグで最も古いルアーでもあるDowagiac Expert通称、スロープノーズを完成します。
その後、スロープノーズの後継機種としてドワジャックミノー♯200が登場しドワージャックサーフェイスミノーNo210そして210サーフェイスが販売されます。
スロープノーズもオリジナルのモノは歴史的な価値がありアンティークルアーとして高価な価格で取引されていますが、このヘドンの歴史的なルアーをプラスチック版で復活させる事になり、2020年にプラドコに在籍していたヒロ内藤さんが復活させます。
1931年 最古のペンシルベイト、ザラゴッサ♯6500が誕生!
1922年にウィル ヘドンはスロープノーズにスケーティングアクションを出したいと考え、金属の襟巻きを取り外したルアーを作り出します。それがウッド製の最古のペンシルベイト、ザラゴッサ♯6500シリーズです。
このザラゴッサのネーミングの由来が面白いです。フロリダ州にあるザラゴッサストリートには夜の仕事のお姉さんが、ザラゴッサストリートを色っぽい腰つきで歩いているそうで、その姿が、ルアーの動きに似ているのでザラゴッサと名付けたそうです。
当時のカタログには最も人気のあるヘドンのミノーと記載されていたようです。まだ、この当時はペンシルベイトとは言われていないんですね。そしてザラゴッサ登場から17年後に転機が訪れます。
1939年に当時の最先端素材! プラスチック製のザラスプークが登場!
1939年にはウッド素材のザラゴッサからプラスチック素材のザラスプークへのモデルチェンジをカタログで発表します。当時のヘドン社は最先端素材のプラスチックへの移行に力を入れていたようです。
プラスチック素材への移行はボクが考えるにウッド素材でのルアーの生産は製品にバラツキが生まれ、それを補正、修正するコストが発生するので、生産性の向上と品質の安定を図るのが、大きな要因だと考えます。
モデルナンバーNo9260とNo9250のザラスプークはボデイの長さは4インチ半と現在のオリジナル ザラスプークとサイズは変わりません。
違いはNo9260は3フック仕様でNo9250は2フック仕様になってます。フックサイズは#1/0でラインアイはノーズの位置に付いておりオリザラとは異なります。3種類目はザラスプークJr.という3インチサイズのザラスプークです。
ザラスプークの変貌とオリジナル ザラスプークの誕生!
ザラにはボディの厚みが薄い頭と尾っぽ部分でジョイントされて作られている通称ファーストザラとボディが厚くフックハンガーの仕様が違い成型方法も縦割りで作られ張り付けられた通称セカンドザラがあります。
一般的に使われ現在販売されているオリジナル ザラスプークの原型になるNo9255は1978年に登場します。オリジナルザラスプークの特徴はノーズに付いていたラインアイをウォーキングアクションの初動を上げられるようにスロートの位置に変更されました。
フックサイズも#1/0が付いていましたが、時代と共に小さく軽量なフックに変更し浮力への影響を抑える事で動きが機敏になのよう進化していきます。
しかし、スロートの位置に着く事でアクションはさせ易くなるのですが、風の強い時にはキャストしたルアーの軌道が反れやすく真っすぐ飛ばないので、ノーズの位置に付け替えて使う方もいます。
また、チューニングとしてラインアイがノーズの位置になることでザラを水中に潜らせるアクションがやり易くなります。このダイブ&トゥイッチはルアーをバス側に寄せる事が出来るので釣果が上がる場合があります。
オリジナル ザラスプークの仕様変更にはバスプロのチャーリーキャンベル氏が深く関わっています。
日本発! 不慮の事故から生まれた反りザラの歴史
ザラの歴史を辿ると日本から派生したザラの歴史もあります。サードザラと呼ばれる反りザラがそれです。反りザラは輸送時の温度変化によって起こった事故から生まれたザラスプークです。
当時、1970年後半から1980年初頭にSMITH社がアメリカのヘドン社に発注したザラスプークを取り出した所、ザラのボディが曲がって反りかえっているではありませんか。こんな不良品を販売する事は出来ないのですが、返品する事も厳しい現状があったようで、クレーム覚悟で販売します。
ところがクレームどころか反ったザラの動きが良いという噂が流れ、このロットは知る人ぞ知るシークレットルアーになります。この出来事が切っ掛けにアメリカでも飛び火しワザと熱を加えてザラを反らすチューニングをする釣具店もあったそうです。
その後にかなりの年月が経った後にプラドコからもスウェイバックザラと言う名前で販売されます。プラスチックの融点の関係で偶然生まれたルアーを再現するのは大変だったようで素材の見直しや当時は鉛のウェイトを使っていたモノが時代と共に使えなくなったりと苦労して作られた模様です。
ザラスプークのスプークの意味は幽霊って知ってました?
ザラスプークのSPOOKの意味は幽霊という意味らしく、透明なプラスチックは実体があるようにも無いようにも見えたり見えなかったりしますよね。
なので、そんな幽霊のような存在のように見える事から、スプークと命名されたそうです。
あれ? 幽霊って Ghost (ゴースト) って訳すんじゃないのと思ってチョット調べてみました。するとスプークも幽霊やスパイとも訳すようですね。
知らない間にバスに忍び寄るスパイというのも言い得て妙な感じがします。プラスチック素材に移行する事でザラのネーミングが決まってしまうとはルアーの歴史は面白いですね!
おわりに
今回はペンシルベイトの誕生の歴史を辿ってみました。ジェームスへドン氏がDowagiac Expertを世に送り込んだ時には本物の生き物に似せても得るものが無いと説明書に書かれています。
世界で初めてトップウォータープラグを作り出した人間が研究と経験で導き出された結論に驚かされるのですが、ボクが感じたのですが、世界で最初に作られたプラグがただ巻いただけでは動かない点も注目されますし、動きをアングラーの発想で多彩に作り出せるように作られている点にも驚かされます。
ペンシルベイトの登場時もカタログで動きなどの説明は記載されていたでしょうが、当時の人もドッグウォークアクションをするのにテコづったのではないでしょうか?
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ペンシルベイトの歴史はザラスプークの誕生から始まった!の記事があなたのバスフィッシングライフのサポートになれば幸いです。
では!! よい釣りを(^O^)/
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