「メタルジグ&スピンテールジグ」の歴史と起源!職人の技術が凄すぎ!

ルアーの歴史と起源を探る

バスフィッシングを愛されているアングラーのみなさん、こんにちは!今回の釣りたいバス釣り日記は、「メタルジグとスピンテールジグ」の歴史と起源について紹介したいと思います。

ルアーの歴史として最古のパテントが取得されたルアーは、1800年代初頭に「ジュリオ・トンプソン・ピュエル」が作り出したスプーンルアーです。

同じく、金属で出来たメタルジグも1800年代中期に「ライリーハスケル」によって作り出された「ハスケル・ミノー」が最古のメタルジグです。

冬の低水温期には使用頻度が高まるメタルジグやスピンテールジグ。しかし、これらは季節を問わずに活躍する優れたルアーです。

ボクたちの世代にとって、メタルジグといえばローランド・マーチン氏の名前を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。河口湖で開催されたトーナメントで、彼がホプキンスを使ったバーチカルジギングで次々とバスを釣り上げる姿に感動し、その釣り方を真似した経験をお持ちの方もいるでしょう。

一方、スピンテールジグは「投げて巻くだけ」というシンプルな操作性から再び注目を集めています。このルアーの起源を辿ると、最初に登場したのは1960年代。長い歴史の中で進化しながら、多くの釣り人に愛され続けています。

では! 「メタルジグ&スピンテールジグ」の歴史と起源!職人の技術が凄すぎ!の始まりです(^O^)/


最古のメタルジグHaskell Minnow! 見た目が芸術品すぎる!

1859年9月20日にオハイオ州ペインズビルの有名な銃メーカーのオハイオ ガンスミスからライリーハスケルによって特許が取得されました。ハスケルのジグの登場以降に様々なジグは世に出てきますがパテント申請はなかったようです。

Haskell Minnow

このミノーの形をしたHaskell Minnowが最古のジグと言われています。また、釣り具のパテントしても最古の部類に入るそうです。

このリレイ ハスケルのジグはトローリングでの使用を目的に作られたジグでサイズは4タイプあり、内部の構造は木のボディに左右から銅板でサンドしてハンダで付けられた製法で作られ木のボデイが比重を抑えて沈みが速くならないように考えられた構造です。

Haskell Minnowのパテント

装飾も銃工の職人によるエッチングが施され、まるで芸術品に値するので、このルアーは様々な面で価値が高くルアーコレクターがライリー・ハスケルの作品を欲しがるだけでなく、銃のコレクターも彼の作品を高く評価しています。

そんなHaskell Minnowはオークションで、「100,000ドル」の値で落札され史上最高値のルアーの記録を樹立しています。このオークションは、ニューヨークのラングズ・オークションズ(Lang’s Auctions of New York)によって行われました。

ラングズ・オークションズは、フィッシンググッズのサザビーズのようなもので、世界中のタックルコレクターを対象とした半年ごとのオークションを開催しています。

歴史的には、オハイオ ガンスミス社のルアー部門は、サブ的な事業だったようで、当時は南北戦争の時代でもあったので、銃の製造や修理が主な仕事だったと考えられます。

芸術的なメタルジグ作り出したライリーハスケル氏は、1882年の6月24日に亡くなっています。


80年代からのメタルジグの進化していく過程をみてみよう!

80年代以降のメタルジグの歴史を遡ると、1883年にフルーガー社が「インライン・スピナースプーン」をパテントを申請し修得した歴史があります。

1928年に、アーボガスト社が「Tin Liz Metal Minnow」のパテント申請、1930年にパテント修得します。トップウォータールアーのイメージが強いアーボガスト社ですが、メタルジグも作っていたんですね。

Fred Arbogast Tin Liz Metal Minnow

フレッド・アーボガストのジグは、無垢のボデイ形状でハスケルのジグとは違い、縦にスピーディーに使用することが出来ると、下記のパテントに明記しています。

引用 ヒロ内藤 ルアーふしぎ発見

1950年代に入るとR.L.ホプキンス氏が、メタルジグの「ホプキンス」を世に送り出します。元々ホプキンスは、海釣りで使う事を想定して作られていたようです。

ホプキンス社は1948年に設立され、70年以上にわたり「ホプキンスショーティー」などのメタルジグを製造しています。これらのジグは、キャスティング、ジギング、トローリング、アイスフィッシングなど、さまざまな釣りスタイルに対応しており、フレッシュウォーターとソルトウォーターの両方で使用可能です。

ホプキンス ショーティー

強度やアクション、そして突如始まるボイルに対しても遠投に優れたホプキンスは、現代のメタルジグの基本的なモデルとなってます。この辺りからメタルジグのデザインは、シンプルに成って来るのが特徴的です。

ステンレス製で非常に耐久性が高く、シンプルなデザインが特徴です。特に遠投性能に優れ、突如発生するボイルにも対応できるため、現代のメタルジグの基本モデルとされています。

ホプキンスショーティーは、スミスの「フレーキー」などの類似製品と比較されることがあります。スミスのフレーキーは真鍮製で、比重が異なるため、異なる釣りの状況に適しています。

その後、Acme Tackle Companyの「カストマスター」やコットンコーデルの「CCスプーン」などのメタルジグが市場に出てくるのです。

カストマスター

Acme Tackle Companyは、ヘンリーE.(アート)ラヴァリーが、兄のアルと共に研磨および電気メッキの会社を設立したことから始まります。1952年、事業は釣り道具業界に参入し、ラヴァリーは金属製ルアーの開発を手掛けました。

その後、彼はEngineering Design Associates(EDA)が設計したルアーについて知り、EDAとロイヤルティ契約を結んで販売権を取得。この契約に基づき、ラヴァリーは独自にルアーを改良し、宝石のように美しい仕上がりを持つ「カストマスター」を完成させました。


1960年に登場したリトルジョージの名前の由来が感動的!

1960年にマンズ ベイト カンパニーから「リトル・ジョージ」が登場します。ボトムをホップさせてもリーリングで引いて使っても誰でも簡単にバスが釣れるルアーです。

当時、1960年代後半から魚探が話題になり、魚探とリトル ジョージがあれば8ポンドクラスはいくらでも釣れるので大人気ルアーになりました。

マンズ ベイト カンパニーの創始者、トム・マン社長は、1971年に電気や音波の知識がなかったのですが、魚探を作るべく「ハミンバード社」を設立し成功させます。

トム マン社長は、環境保安官の職に就きたかったのですが、空きが無かった為に釣具店で働きながら、自作のジグを作って環境保安官の職に空きが出るのを待っていました。

そして、環境保安官に就職することが出来たものの、自作のジグがもの凄く売れてしまい、トム マン社長は、好きな環境保安官の仕事を続けるかどうか悩みます。

その時、知事だった、「ジョージ ウォレスン」が環境保安官を一年休職してちゃんと会社を経営しなさいと助言してくれます。

知事の言葉に押されて、ルアー会社の経営に力を入れることを決意した。トム マン社長は、ジョージ ウォレスン知事に感謝を込めて、知事の名前を取って、ルアーに「リトル・ジョージ」と名付けられたそうです。


実は様々なメーカーがスピンテールジグを作っていた!

1970年になると、レーベル社やヘドン社、コットンコーデル社そしてボーマー社もスピンテールジグを発表していきます。この時代で各社こぞってスピンテール・ジグを作っていた事で分かると思いますが、どれだけ釣れたルアーなのか感じられますね。

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この頃のスピンテールジグは、オリジナリティー溢れたジグたちでした。コットンコーデル社の「スーパーシャッド」はプラスチックボディで作られたスピンテールジグです。ブレードの取り付け方法はスイベルで取り付けられています。

レーベル社の「ロケットシャッド」は金属のボディにリトルジョージと同じくクレビスを使ってブレードを装着しています。

ジグってどういう定義なのかと考えるとスプーンと似ている形状もありますが基本的に縦で使うことが出来るのがジグで横方向に使うのがスプーンと定義するといいようです。


おわりに

今回はメタルジグとスピンテールジグの歴史と起源に触れてみました。面白い事にメタルジグの場合にはルアーの内部構造や外観の装飾が古いメタルジグの方が複雑に作られている点ではないでしょうか?

この時代でここまで精巧にモノを作りあげる職人の技術には驚かされる事が多いですし、歴史的に見て銀細工の職人や時計職人などの異業種の釣りとは関係ない業種の人達が趣味が高じてタックルを作り出す行動がとても興味深く感じます。

また、今回のメタルジグの歴史を見て面白いのが、時代が進むことでデザインが簡素化されていくのが、とても実用的で面白いと感じたのではないでしょうか?

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また、Amazonからキンドル本「アメリカンルアーの歴史と起源」を販売しています。ルアーの誕生秘話や歴史に興味がある方は一読して下さい。キンドル・アンリミテッドに契約されている方は0円で読むことができます。

今回はルアーの歴史と起源について書かせて貰いましたが、この記事を読むことで、みなさんのバスフィッシングライフが更に充実したモノになれば幸いです。


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