テキサスリグとは?アメリカのテキサス州で生まれたワームのリグ(仕掛け)の事をいいます。テキサスリグはメインラインにバレットシンカーを通してフックにワームセットしたリグで、ワームの釣りの基本を学ぶ事ができるリグです。
テキサスリグが生まれる要因になる出来事として、1940年~50年代のアメリカでは世界恐慌後に経済政策として電力供給を増やすためダム建設が各地で行われました。
電力供給の為のダム湖にタイラーレイクという湖がありました。タイラーレイクは立ち木の多い湖で通常のルアーでは根掛かりが多く釣りづらい湖でしたが、1960年代にテキサス州のアングラーがカバーを回避するために考え出されたのがテキサスリグと言われています。
また、根掛かり回避以外に深場に居るバスを釣るために考え出されたリグでもあります。
今回はテキサスリグの作り方を学んでいきたいと思います(^O^)/
- 「簡単!」5ステップでデキル! テキサスリグの作り方
- 「便利!」テキサスリグには使えないワームはありません
- ワーム・タイプによる縦と横のアプローチを知ろう
- 「知ってた?」バレットシンカーの種類は3タイプ使い分けは?
- 「知ってた?」バレットシンカーの素材による使い分け!
- テキサスリグに使うフックの選び方
- テキサスリグなどにビーズを使う事の利点を考えよう!
- テキサスリグを使ったアクション
- テキサスリグのキャスティングスタイルでのタックル
- テキサスリグのフッキングの肝はアタリを感じたらスグに合わせろ!
- テキサスリグのペギングで障害物の奥へワームを届けろ
- アメリカ初のトーナメントのヒットルアーはテキサスリグです!!
- おわりに
「簡単!」5ステップでデキル! テキサスリグの作り方

テキサスリグを作るのに準備するのがワーム、シンカー(オモリ)、フック(鈎)の3点です。ストレートワーム、カーリーテール、グラブ等ほとんどのワームのタイプがテキサスリグで使えます。
※上の写真を参考にしながら作り方の手順と照らし合わせてみて頂くと理解しやすいです。
1、バレット・シンカーにラインを通す
2、通したラインをワームフックに結束する
3、ワーム先端からフックを刺しオフセットフックの段差分を通したら抜く
4、フックセット時にワームが真直ぐになる位置からフックを抜きます
5、フック先端を隠して完成
上の写真を見ながら手順に沿ってテキサスリグを完成させてくださいフックとラインの結び方はクリンチノットやユニノットなどの結び方でもかまいませがパロマーノットで結ぶと強度的にも安心ですよ。

パロマーノットの結び方は上の図を参考にして下さい。初心者にも簡単に結束できる上に強度も安定したノットです。
「便利!」テキサスリグには使えないワームはありません
プラスチックワームには様々なデザインや形状があり、およそ20タイプ以上はあります。テキサスリグではほとんどのワームで使う事ができるリグです。基本的なワームの形状を見て行きましょう。


ストレートワームは真っすぐな棒状のデザインが特徴で自発的な動きはしないワームです。カーリーテールタイプのワームはフォール中には自発的にテールが動くのが特徴です。様々なワームの種類がありますのでワームの種類に関して書いた記事を参考にして下さい。
ワーム・タイプによる縦と横のアプローチを知ろう
テキサスリグのキャスティングでは、ワームを障害物に沿って落とし込む縦のアプローチとワームを使って水生植物の周りなどを広く探る横方向のアプローチあります。
ストラクチャーやカバーの状態を見て縦横のアプローチを考えて、更にワームの形状を考える必要があります。具体的にワームのアプローチ方法を見て行きましょう。
ワームを障害物などに対して縦のアプローチをする場合のワームを考える

岸沿いの障害物や水中の大岩などに沿ってワームを落とし込し込んだりする、縦のアプローチを行う場合はカーリーテールやGテールのような落とし込んだ時にワームのテールがよく動き、水を動かす事でバスにアピールさせる、縦のアプローチに向いています。
具体的にはゲーリーのグラブやDITTOのゲーターテールワームのようなテールを持ったワームを使うといいでしょう。
ワームを障害物などに対して横のアプローチをする場合のワームを考える

水生植物(ウィード)のあるフラットなエリアは横方向のアプローチで広く探れるリボンテールのワームが動きとシルエットで誘う事が出来きます。
何らかの要因で活性が下がって来ると横のアプローチでは移動距離が出ますので、バスはワームを追ってくれません。活性が低くなるったり、晴れて太陽光量が多い場合は縦のアプローチに反応がよくなってきます。
具体的にはシャッドテールのワームやリボンテールのワームが横方向で使用するのに優れています。
「知ってた?」バレットシンカーの種類は3タイプ使い分けは?

ピストルの弾丸の形状をしている事からネーミングされたバレットシンカーですが、バレットシンカーの形状には大きく分けて3タイプあり、テーパーのデザインによってシンカーの機能や使う用途が変わってきます。

ウィード等の水生植物などのソフトカバーの奥までワームを送り込みたい場合には、最近ではあまり見かけなくなった、ネガティブテーパーを使う事で通常のシンカーに比べ引っ掛かることなくカバーの奥までワームを送り込む事が出来る形状です。
先端が細いので岩などには引っ掛かりやすくゴロタ石が多いエリアでは通常のシンカーの方が根掛かりが少ないです。両方の中間的なデザインがウェッジタイプになります。
テキサスリグでシンカーの重さを選ぶポイントはボトムが取りる事が基本になります。例えば1/8ozを使って釣りをして湖底の存在を感じられないのであれば、倍の重さの1/4ozに重くして湖底を感じられるようにします。
軽いウェイトを使う方が釣果は伸びますがボトムを感じ取れる重さを使用しないとワームの状態がつかめないので操作が難しくなります。
「知ってた?」バレットシンカーの素材による使い分け!
バレットシンカーの素材 | 素材による特徴 |
鉛 | 柔らかく安価に製造できるが環境に悪影響を与えてしまう |
ブラス (真鍮) | 硬質で安価な素材、鉛より比重が軽い |
タングステン | 硬質で高価な素材、3つの素材の中でも一番に重い |
バレットシンカーの素材に使われている金属には鉛、真鍮、タングステンの3タイプに分かれます。鉛は安価な素材ですが水中に放置されると毒素を放出するので近年では環境に配慮してタングステンを使う人も増えています。
鉛は柔らかい素材ですので地形の変化を感知する場合には真鍮やタングステンシンカーに劣ります。3つの素材の比重は真鍮が8.5g/㎤、鉛が11.36g/㎤、タングステンは19.3g/㎤とタングステンが重いので同じ重さのシンカーを作ってもコンパクトに作る事が出来るので根掛かりも減少します。
また、素材が硬質なシンカーはテキサスリグなどでビーズと組み合わせて使った場合に音の響きが良いとされています。
テキサスリグに使うフックの選び方

オフセットタイプのワームフックはズレにくい構造になっているのでテキサスリグでは使用頻度の高いフックです。フックの形状は様々ありフックのゲイプ幅が広いワイドゲイプや逆に狭いデザインのナローゲイプがあります。
フックを選ぶ場合にワームのサイズに対して選ぶのは大切なのですが障害物から強引に引きずり出したり大型のバスを狙う場合には軸の太いフックを選択したり逆に貫通性を重視するのであれば細軸のフックを選ぶなど状況によってフックのデザインを選んでいきましょう。
また、最近は購入したワームのパッケージに推薦フックが明記されていたりするのでフックサイズやフック形状を選ぶ際のヒントにすると良いと思います。

フックを選ぶ際にはワームとフックのゲイブ間にある程度の空間ができるサイズやデザインのフックを選ぶようにしましょう。フックとワームのサイズが合っていないとフッキング率が低下してしまうのでワームのサイズとフックのサイズは注意しましょう。
テキサスリグなどにビーズを使う事の利点を考えよう!

テキサスリグにガラスビーズを通して使用し出したのは1980年代にバスプロのドン・アイビーノ氏の
考え出したドゥドゥリングメソッドが始まりだとボクは記憶します。
ハンドポワードのワームを使ってロッドを小刻みにシェイクして釣るスタイルでプレッシャーの高いシャローからディープのバスを釣る為に考え出されたメソッドです。
このリグの大きな特徴は真鍮のシンカーとガラスビーズが接触して奏でる音にあります。この音の事をドン・アイビーノ氏はクリックと呼びザリガニが出す音と説明しています。
また、ドン・アイビーノ氏はガラスビーズを使用している時にバイトがあった時はガラスビーズとシンカーが当たる感覚が柔らかく感じる事もあると解説しています。
テキサスリグを使ったアクション
テキサスリグを使ったアクションを見ていきたいと思いますが、バスが高活性でエサを探している場合にはワームにアクションを与えないでボトムを引いて来るズル引きから始める事をおすすめします。
ワームをキャストして、ズル引きでバイトがある場合は活性が高いと判断できますし、バイトが無い場合にアクションを与えていきましょう。
リフト&ドロップ
リフト&ドロップはワームがボトムに着底後にロッドワークでワームを引き上げては落とし込む動作を繰り返すテキサスリグのキャスティングでは基本的なテクニックの一つです。
バスの活性に合わせてワームの動かしの幅を調整し低活性なタフな状況になるとリフトの幅を細かく動かすようにします。
ロッドを3時から2時の方向にロッド持ち上げてアクションを与え糸ふけ取ったら再度3時から2時の方向へアクションを与えます。
スイム&ドロップ

スイム&ドロップは杭やアシなどのカバーにバスがどのように付いているかをイメージしてカバーの先へワームをキャストし着底後にイメージしているスポットへアクションを与えながらワームを移動させた後に誘いを掛けていくテクニックです。
図のように障害物に対してタイトにワームを沈める誘い方も効果的でコツは着水後素早く余分にラインを送り込む事で障害物に絡めながら釣ることが出来ます。
ルアーを障害物に接触させると10倍釣れるのでカバーにはタイトにワームを送り込みましょう。
テキサスリグのキャスティングスタイルでのタックル

キャスティングコントロールも考えるとM~MHのファーストテーパーで6~6.6フィートの長さのベイト・キャスティングロッドが使いやすいでしょう。
体力が無い方や合わせをシャープに行いたいのであれば6フィート以下の長さのロッドの使用をおすすめします。
リールはベイトキャスティングリールでバイトがあった時に糸ふけをすぐに取る必要があるので、ハイスピードタイプがスラックラインを早く取れるので良いと思います。
また、ヘビーカバーを釣る場合にテキサスリグはラインを20lb以上に太くする必要があるので余り小径のスプールでは糸巻量が少なくなってしまうので注意してください。
ラインは障害物を攻めるので20lb以上のナイロンラインがおすすめです。
ナイロンラインを勧める理由はフロロカーボンはライン重く沈みますので、初心者にはフッキングが難しいのでナイロンラインがおすすめです。
テキサスリグのフッキングの肝はアタリを感じたらスグに合わせろ!
1、アタリを感じたらロッドを3時の位置に戻す
2、少しラインをたるませた状態から、一気に12時の位置にロッドを戻す
3、フックアップに成功すると、ロッドに大きな負荷とともにバスの動きを感じます
フッキングの流れは1~3の手順で進めるとフックアップしますが、昔はワームのフッキング(合わせ)は当たりがあったらラインを送ってから待ってから合わせると言われてきましたが、バスがワームにバイトする水中映像を見ると一瞬でワームを丸ごと吸い込む映像が見られます。
なので、バイト感じたら、早めにフッキングした方がいい結果に繋がりますしフックを飲まれなくなりバスのダメージを軽減できます。大物のバスは口も大きくワームを一気吸い込んでしまうので、アタリが小さくロッドに伝わってこない事もあるので、水中に入るラインの動きや何か違和感を感じたら、フッキングして下さい。
テキサスリグのペギングで障害物の奥へワームを届けろ

テキサスリグのシンカーを固定する事を昔は爪楊枝などでペギング(固定)していましたが現在はウキ止めゴムを使ったやり方が主流です。
ペギングはアプローチを考えて行いましょう、障害物が混み合う中を攻める時に障害物が邪魔してワームが奥へ送り込めない場合に有効です。また、ワーム自体がボリームがありるタイプでは、ある程度シンカーにウエイトが無いと動きが悪いタイプのワームでは、シンカーを固定した方がトラブルがなく攻められます。
基本的にテキサスリグはペギングをしない方が動きもナチュラルになり当たりも取りやすくなります。
ワームの釣りは他のハードプラグと違って時間が掛かってしまいます。なんとなく投げるのでは無く、フィールドのストラクチャーやカバーを理解して、ここにバスが付いていると決め打ち出来るようなぐらい、フィールドを理解した場所で使うのが効率的です。
アメリカ初のトーナメントのヒットルアーはテキサスリグです!!

テキサスリグといえば、レイ・スコット氏がプロバスケットボール選手のようにバスフィッシングも同じようにプロスポーツとして行う事は出来ないかと考え、1968年にアーカンサス州のビーバー・レイクでアメリカで初めてのトーナメントを開催します。
このトーナメントは後のB.A.S.S.になる、オール・アメリカン・ダービーが開催されます。
トーナメントでバスを最初にバスを釣ったのがビル・ダンスでテキサスリグでキャッチしたそうです。
ビル・ダンス氏はオール アメリカン トーナメントが開催される事を知った時から初バスを釣ることを狙っていたようですがこの記録は正式記録にはなっていないようです。
おわりに
今回はプラスチックワームの釣りをする上での基本と言われるテキサスリグの使い方やテクニックを紹介しました。テキサスリグはほとんどのワームが使えるので様々なワームを使ってチャレンジしてもらうと楽しめると思います。
テキサスリグを使う上での注意点はシンカーでボトムを感じられることです。ボトムを感じられるウェイトを使用する事でワームの状態を把握することが出来ます。1/8ozのシンカーを使っていてボトムを感じられなければ1/4ozの重いウェイトに交換しましょう。
テキサスリグに有効な地形は急に落ち込んで水深が深くなる地形での使用が有効になります。逆に水深の変化があまりないフラットな地形ではキャロライナリグを使った方が効率的に釣りができます。
テキサスリグを使う事で釣り場の地形や水深の変化を知ることが出来るので釣り場を3次元的にとらえる事ができるのでチャレンジして下さい。
この記事が参考になれば幸いです。
コメント